3月はいろいろ考える時期 入学後、ついていけないのではないか [高校受験]

■新たに勉強へのモチベーションをつくる

4月からはいよいよ高校生活がスタートします。入学はできたが高校の勉強についていけるだろうか……など保護者のかたも心配になることもあるかと思います。
そこで高校入学後、お子さまにどのような心持で勉強をさせていけばよいかをお伝えいたします。

■我が子が「落ちこぼれないか」心配

入学手続きを終えた途端、この学校はうちの子にはレベルが高すぎるのではないかと心配し始める保護者がいます。
が、入試というものは、学校が自校の生徒として受け入れられるかどうかを見るもの。受かったということは、当然そのラインに達していると学校側が判断したということです。
受験は、「まぐれで不合格」することはあっても、「まぐれで合格」することはないもの。合格したということは、その学校の生徒としてやっていける実力はあるということです。心配はいりません。
逆に、進学先が、安全校の学校だから、我が子は入学後も当然上位にいられると考えている保護者がいます。が、ほとんどの受験生がいくつか併願していることが普通です。たまたま上位の学校に不合格になり入学してきたという生徒がどこの学校にもいます。勉強しなくても上位にいられるなんていう学校はどこにもありません。
たとえ優秀な子であっても、受験勉強で燃え尽きて勉強への意欲がわかない場合、ゲームや携帯電話などにはまった場合、家庭内のゴタゴタなどで精神が不安定になって勉強が手に付かなくなった場合……など、成績が下がるキッカケはどこにでもあります。

■「特進コース」入学でも優越感は持たせない

年明けに、私立高校の「特進コース」(実際の名称はもっとインパクトがあるもの)に在籍するという男子生徒の母親から電話がありました。基本的に私は電話での相談は受けていないのですが、ある人からの紹介でした。クラスでいじめに遭っていて、他校に出たいというのです。
「高2から他校にですか? いくらなんでもそれは無理。進級時に『普通コース』にしてもらうことが一番いいと思います。人間関係もリセットされますから、やっていけると思いますよ」
そう話しましたが、本人が「1年間『特進コース』でがんばってきたのに、今さら『普通コース』に行くのではがんばってきた意味がない」と、この案ではプライドが許さないというのです。
その学校では先生の口から、「『特進コース』のきみたちは東大、東工大、一橋大、早慶をめざすのだ」といったことを頻繁に言われていたそうです。学校でのテストや家でやる課題も多く、「それらがプレッシャーやストレスになり、いじめにもつながっていると思います」とその母親は電話の向こうで話しました。
中堅校が学力の高い生徒に入学してもらおうと思ったら、「特進コース」的なものを設置し、カリキュラムを工夫して大学合格実績で証明するしかないことは、私も仕事柄よくわかります。ですからこうした学校は実際にたくさんあります。
問題は、この生徒のケースのように、『「特進コース」と「普通コース」の間に優劣意識を持たせ、難関大学以外は大学ではないような言い方でのモチベーションづくりにあると思うのです。このような視点で人と接していたら、良好な人間関係を築けないと思うのです。
4月からお子さまが「特進コース」に入学されるケースも多いと思うので、変な優越意識を持たないよう、今のうちにお話ししておいてください。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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