折り紙で身につく力や教育効果は?メリットや簡単な折り紙を紹介

小さい頃、折り紙で遊んだ記憶はありませんか? きっと誰もが一度はやったことがある折り紙遊び。ただ単に遊べるだけでなく、知育効果ももたらしてくれるのをご存じでしょうか? 保護者も一緒に楽しめる折り紙の知育効果などをご紹介します。

折り紙のメリットとは?

ただ折って楽しむだけではなく、お子さま、保護者の両方にさまざまなメリットがあります。では、それぞれどのような点があるのかみていきましょう。

◆お子さまへのメリット
・忍耐力、集中力が育まれる
折り紙は集中して折り続けることで完成させることができます。途中で分からなくなりつまずいてしまった時に、あきらめずもう一度やってみようとすることで忍耐力が育まれるのです。また、折り紙は細かな作業の繰り返しなので、手元へ関心が集まって集中力も育めます。

・思考力、想像力が育まれる
最初は保護者に教えてもらったり、本を読んだりしながら、手順に従い折り始めます。そして、慣れてくると次第に完成形を想定し折ることができるようになります。
口述で教えてもらう場合は、どのように折れば相手と同じようになるのか想像力を働かせて折り、同じ動作をしようと記憶するため、記憶力も育まれます。どうすればそうなるのだろうか、ということを考えるようになり、折り方による形の違いを理解し、どんな形になるのかなど完成形までを想像するようになるのです。どの色を選ぶのか、たくさん作るのであれば色の組み合わせはどうしようかなど、完成形を想像することでも、想像力が育まれます。
また、折り紙の本には、複雑な図形が描かれています。その図形に慣れていくと、立体的な折り図からどのように折れば教本通りになるのかといった思考力を養うこともできます。将来、数学をする年齢になったときには、ひとつひとつの論理を積み上げ証明する論理的思考力が必要です。全体を俯瞰しながら進めていく折り紙では、自然と思考力を身につけられるようになります。

・手先のトレーニングになる
折り紙は細かい作業が必要になります。さまざまな方向へ10本の指のどの指を使い、どのように折るのかなどを考えながら指先を動かします。
出来上がりをキレイにしたいと思った場合は、端と端をきっちりと合わせて折ることが必要になるため、上手な人の真似をしたり、自分なりに工夫したりします。このような細かい作業に取り組むことが、手先のトレーニングに繋がるのです。

・空間認知能力が鍛えられる
一般的に知られているのは、折り紙を使っていくことで空間認知能力が鍛えられることです。空間認知能力とは、視覚でとらえた距離感や奥行などを空間のイメージとして立体的に再現したりすることです。空間認知能力を鍛えるさまざまなトレーニングがありますが、折り紙は手軽で、お子さまでも遊びながら身につけることができます。

・コミュニケーション力を育む
みなさんは、おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に折り紙を楽しんだ思い出はないでしょうか。折り方を教えてもらったり、完成した折り紙を交換したりするなど、さまざまな楽しみ方があります。
折り紙は幅広い年代で親しまれているため、保護者以外の人とのコミュニケーションを図るきっかけにもなります。折り紙を通していろいろな人と触れ合うきっかけを作ることで、自然とコミュニケーション力を育むことができるでしょう。
また、近年、折り紙は海外でも注目を浴びており、日本の文化の中でも人気の1つとなっています。お子さまが大きくなった時に、海外交流の手段の1つとして役立てられるよう、親しんでおくのもいいかもしれません。

◆保護者のメリット
・持ち運びしやすいのでどこでも遊べる
旅行や外食などの外出先でお子さまが退屈にならず、楽しく遊ぶことができるのも折り紙の良さではないでしょうか。大きいオモチャなどと違い、かばんに入れておくことができますので、持ち運びができ、場所を取らずに遊ばせることができます。

・リーズナブル
今や百円均一ショップでもさまざまな柄の折り紙が売られています。1袋に折り紙が100枚入っているものもあり、リーズナブルな価格で折り紙を用意することができます。お金をかけることなく、お子さまが楽しく遊ぶことができるので保護者としては嬉しいですね。

・片付ける場所をとらない
お子さまがいるご家庭ではお部屋にオモチャなどがたくさんあり、収納に悩むことが多いのではないでしょうか。しかし、折り紙の場合は小物用の引き出しなどに入れることもできますので、スペースを取らずに収納できます。

・日本ならではの文化を一緒に体験できる、身近な知育玩具
折り紙は日本ならではの遊びであり、親子で気軽に日本の文化を体験できます。
折り方だけではなく、折り紙の歴史についても教えてあげながら、一緒に楽しむと良いでしょう。

お子さまと楽しめるおすすめの折り紙3つ

◆可愛いハートで飾りつけも楽しめる
可愛いハート型の折り紙は、親子で一緒にお部屋に飾るのも楽しいでしょう。また、お友達へのお手紙を裏に書いてプレゼントするなどして楽しむこともできます。難しい工程はないので、簡単に取り組めるでしょう。
(参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=Xg7ZuZIAXQU)

◆よく飛ぶ飛行機を作って一緒に遊ぼう
折り紙で遊べるものの代表とも言える「飛行機」。お子さまに人気の折り紙の1つです。飛行機にはさまざまな折り方があり出来上がりの形も違います。何種類もの飛行機を作り、どの飛行機が一番飛ぶ飛行機なのかなど、比べてみるのも良いかもしれません。広い場所に出て風の影響を受け、飛び方を変化させる飛行機の様子は、更に楽しさを膨らませます。外で飛ばしてみるのも良いのではないでしょうか。
(参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=NZSb7IIwemA)

◆仕掛け折り紙「パクパク」で遊ぼう
お友達との関わり遊びでおすすめできる「パクパク」。小さい頃、一度はやったことがあるという方も多いのではないでしょうか。お友達と同じ絵やあえて違う絵を描き、作り終わった後は絵や数字を選びながら一緒に遊ぶことができます。おうちで保護者などと一緒に楽しむこともできます。参考動画を見ていただくと思い出すことができるかもしれません。
(参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=S6LOX0_Vsx0)

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折って切るだけ!数学的思考力を育む雪の結晶カードを作ろう【おうちで知育工作】
動画で解説!親子で楽しむおりがみ

せっかくお子さまが作った折り紙、どうしたらいい?

お子さまが一生懸命頑張って作った折り紙を簡単に捨てることはできないという方もいるのではないでしょうか。ただ置いておくだけよりは何か良い方法はないだろうか、と悩む方に解決策をご紹介します。

◆部屋に貼って作品名を考える
保育園や幼稚園でやっているように、おうちでも作ったものを画用紙に貼り部屋に飾るのも1つのアイデアです。動物や花など折ったものを同じ画用紙に貼り、お子さまと一緒に作品名を考えるという楽しみ方もあります。

◆糸でつないでモビールにすればお洒落なインテリアに
折り紙を糸でつなぎ、それを数本作ります。棒に吊るして部屋に飾れば目で楽しめるモビールを作ることができます。お子さまの折り紙でお洒落に飾ることで、誰もが嬉しい気持ちになるでしょう。
(参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=DCi142sM1fU)

◆厳選した作品をスクラップブックなどに保存する
作った折り紙はいくつもあるとかさばってしまうので、厳選したものだけを保存しておく方法もあります。スクラップブックなどを用意し、選りすぐりの作品だけを挟んで保存しておくのも良いでしょう。

◆カードを作って祖父母などに贈る
普段なかなか会えない距離におじいちゃんやおばあちゃんがいる場合は、カードを作り贈ってあげるのも良いでしょう。おじいちゃんやおばあちゃんに喜ばれますし、形に残る物としてプレゼントできるでしょう。

◆さまざまな角度から写真を撮っておく
出来上がった折り紙を様々な角度から写真を撮っておくのもおすすめです。写真で見る折り紙は、実物とは違う見え方がするため、また違う雰囲気を楽しむことができます。撮った写真は素敵な記念品として残し、お子さまが大きくなってから見て楽しむこともできるでしょう。

折り紙を親子で楽しもう!

知育効果も得られ、親子や世代を超えて楽しめる折り紙。お子さまが折り紙で遊ぶことで、色、形、折り方などさまざまな知恵や知識が身につきます。お友達と楽しい時間を過ごすこともでき、お父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃんとの絆を深めるきっかけにもなるでしょう。折った後の折り紙の活用も楽しみながら、親子で素敵な時間を過ごしてみましょう。

プロフィール



保育士として15年以上にわたり、福祉施設、託児所、保育園などさまざまな場面での保育業務に携わる。
食育実践プランナー資格も有している。

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