新しい地図記号について知る

国土地理院が発行している地図上に使われている、建物や土地利用の様子などをあらわす地図記号。社会科では頻出の、地形図の読み取り問題を解くために不可欠な知識であるとともに、近年新しい地図記号が追加されたこともあり、時事問題として扱われる可能性もあります。
今回は、新しい地図記号を中心に、つくられた背景などを探っていきましょう。



クイズde基礎知識

最近追加された次の地図記号は何をあらわしている?/新しい地図記号が追加されたのはいつ?/新しい地図記号は日本のどのような社会の状況と関係している?


時事問題を学ぶきっかけになる題材をクイズ形式でご紹介します。基本情報の整理に、親子で時事問題について話題にするきっかけに、入試・適性検査対策に、お役立てください。

Q1

最近追加された次のような地図記号は何をあらわしている?


A.海水浴場や登山道などの観光施設
B.災害が起きた時の緊急避難場所・避難所
C.陸上競技場やプールなどのスポーツ施設


A1 正解は 「B.災害が起きた時の緊急避難場所・避難所」 です。


この地図記号は、以下のように数種類の記号が組み合わさってできており、施設の種類や対応している災害をあらわしています。



緊急避難場所
災害が起こった時、まず逃げ込む場所として設定されているのがこの「緊急避難場所」です。

避難所
この「避難所」は、被害を受けた人たちがしばらく滞在して生活することができる場所として設定されています。

緊急避難場所兼避難所
「緊急避難場所」と「避難所」の両方の役割をはたすことができるのが、この「緊急避難場所兼避難所」です。

また、以下のような災害の種類ごとに設定された記号を緊急避難場所や避難所の記号の横に配置することで、どのような災害の時に利用できる施設なのかがわかるようになっています。


また、対応する災害が限定される場合など注意事項がある場合や火山など特定地域の災害については赤い感嘆符で示し、ポップアップでメッセージが表示されるようになっています。

この地図記号は、国土地理院が作成する地図に使われるほか、地方公共団体が発行する、災害が起こった時の被害の範囲などを示した地図(ハザードマップ)にも使われる予定です。



Q2

Q1の地図記号が追加されたのはいつ?


A.太平洋戦争終結後の1946年
B.東京オリンピック実施後の1965年
C.東日本大震災後の2014年


A2 正解は 「C.東日本大震災後の2014年」 です。


2011年に発生した東日本大震災の経験から、2014年4月に災害対策基本法が改正され、市町村に災害に備えた避難所を指定するように定められました。この新しい地図記号は、そうして指定された避難所が地図上ですぐにわかるよう、有識者や一般の人々の意見も取り入れ、改正と同時に作成されました。この地図記号は、市町村が定めた避難所等の位置に基づいて「地理院地図」や内閣府の総合防災情報システムなどで利用されることになります。
災害対策基本法は、1959年に発生した伊勢湾台風による大きな被害を教訓に、防災対策をすすめるため、国や地方公共団体が防災対策のためにしなければならないことなどを定めた法律です。東日本大震災では、地震に加えて津波による被害が非常に大きかったことから、災害が起きた時に逃げ込める安全な場所である避難場所や避難所の重要性がよりさけばれるようになり、そういった場所をより充実させるため、法律が改正されました。新しい地図記号もそのような背景を受けて作成され、防災対策に一役買っているのです。


Q3

次の地図記号は日本のどのような社会の状況と関係している?


A.高齢社会
B.情報社会
C.グローバル化


A3 正解は 「A.高齢社会」 です。


建物の中に杖が描かれているこの地図記号は老人ホームで、2006年に新しく追加されました。人口に占める高齢者の割合が高くなる高齢社会になると、高齢者の介護などを行う老人ホームの数も多くなってきます。それを受けて、この地図記号は作成されました。

2006年には、老人ホームに加えて、以下のような地図記号も追加されました。大きな風車の形をしたこの地図記号、何をあらわしているでしょうか。


答えは「風力発電用風車」です。
近年、石油や石炭などの燃料を使った火力発電は燃料不足になる心配があり、また原子力発電はその安全性を心配する声があがっていることから、風や水、太陽光などの自然の力を使った発電が注目されるようになってきました。この地図記号も、そういった社会の状況を背景にしてつくられたのです。




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