国公立大と私立大でどこが違う?一般選抜について国公立・私立大別にわかりやすく解説!

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「子どもの受験について調べ始めたけれど、知らない用語ばかり出てきてよくわからない…」
大学入試について、このようにお考えのかたも多いのではないでしょうか。

大学入試は、以下2種類にわけられます。

学校推薦型選抜・総合型選抜(旧推薦・AO入試)
一般選抜(旧一般入試)

近年は推薦系の入試(以下、学校推薦型選抜・総合型選抜をわかりやすく「推薦入試」とします)によって入学する人も増えており、お子さまが大学受験を考える上で「どの選抜方式で受験をするのか?」も重要なポイントとなってきています。

そこで今回は、国公立大・私立大別に一般選抜の内容を詳しくご紹介します。
お子さまの大学入試成功をバックアップするためにも、一般選抜について、国公立大と私立大のそれぞれで知っておきましょう!

この記事のポイント

1 入試日程

※試験の日程・回数は大学により異なる場合があります。

まずは国公立大と私立大の入試日程について押さえましょう。

●国公立大:全国の大学で一斉実施

国公立大の一般選抜は原則として、1月に実施される大学入学共通テスト(以下、「共通テスト」)と、大学ごとに行われる個別学力検査の合計点で合否が決まります。

個別学力検査は「前期日程」「中期日程」「後期日程」の3期間設定され、それぞれ次の日程で、全国一斉に行われます。

・前期日程…2月下旬頃実施
・中期日程…3月初旬頃、一部の公立大のみで実施
・後期日程…3月中旬頃実施。ただし難関大を中心に、廃止・縮小傾向

つまり、一人最大3回の受験が可能ということになります。
ただし、前期日程で合格して入学手続きをした場合、後期日程や中期日程を受験しても合格できない仕組みになっています。
そのため、第1志望大は前期日程で受験するのが基本です。

●私立大:大学・学部・学科によってバラバラ

私立大の一般選抜では、それぞれの大学が入試日程を決定します。
一般的には1月末から2月末にかけて実施されますが、それぞれの大学・学部・学科によって試験日はバラバラです。
そのため、日程が重ならなければ何校でも受験が可能です。
ただし、当然ですがその分受験料がかかることになるので、お子さまと一緒によく検討しながら入試スケジュールを決めていきましょう。

2 入試教科・科目

国公立大と私立大の一般選抜では、課される教科・科目数も異なります。
一般的なケースは下記のとおりです。

●国公立大:国立大は共通テストで6教科8科目が主流、公立大でも約半数の募集単位で5教科以上が課される

国公立大で課される入試科目は、共通テスト・個別学力検査ともに大学・学部によって異なります。
国立大では、2025年度入試より共通テストで「情報」を加えた6教科8科目の対策が多くの募集単位で必要になります。
公立大でも約半数の募集単位で5教科以上が課されます。

※2024年2月時点の情報です。

■前期日程
大学入学共通テスト:
・2025年度入試からは7教科21科目のうち、大学が指定する科目を受験

個別学力検査:
・2~3教科が一般的。一部の難関大では4教科を課す学部・学科も
・文系学部では英語、国語、地歴・公民、理系学部では英語、数学、理科など
・入学後に専門分野を学ぶために必要な教科が課されやすい

■後期日程
大学入学共通テスト:
・前期日程と同じ

個別学力検査:
・小論文や面接、総合問題などを課す大学が多い

注意したいのが、大学・学部によって教科・科目ごとの配点が異なるだけでなく、共通テストと個別学力検査の配点比率も異なることです。

お子さまと一緒に受験勉強のスケジュールを立てる時は、まず志望大・学部の共通テストと個別学力検査の配点を調べましょう。

「共通テストと個別学力検査でどちらが高配点なのか」「全体としてどの教科・科目の配点が高い(=重要度が高い)のか」を押さえれば、得点につながりやすい受験勉強のプランを立てることができます。
この一手間が、合格への大きな一歩になります。

●私立大:3教科受験が主流

私立大の一般選抜では、文系学部・理系学部とも3教科受験が主流です。
内容は、以下の3教科が一般的です。

文系学部:英語、国語、地歴・公民または数学から1教科選択
理系学部:英語、数学、理科

各教科の配点は大学・学部によって異なり、全教科が同じ配点の場合もあれば、特定教科の配点が高い場合もあります。
志望大・学部に合格するには、配点の高い教科を優先的に勉強するなどの学習戦略が必要になります。
お子さまの得意・苦手も考えながら、学習スケジュールを立てましょう。
国公立大・私立大ともに、志望大・学部の入試教科や配点は、各大学が毎年発表する「入試要項」やWebサイトで最新情報を確認できます。

3 入試方式

国公立大の入試方式は比較的シンプルですが、私立大では大学・学部ごとに多様な方式で入試が行われています。

●国公立大:原則として共通テスト+個別学力検査を受験

国公立大の一般選抜は、原則として次のような流れで行われます。

1.全員が共通テストを一斉に受験
2.共通テストの結果を自己採点後、志望大(個別学力検査を受験する大学)を決定して出願
3.個別学力検査を受験

なお倍率が高く受験者数の多い難関大では、共通テストの点数が一定以下だった場合、個別学力検査を受験できないことがあります。

●私立大:バラエティー豊かな入試方式

私立大の一般選抜は、主流である3教科型入試方式のほかにもさまざまな入試方式があります。
お子さまは、自分に有利な入試方式を選んで挑戦できます。
主な入試方式をここでご紹介します。

■共通テスト利用型入試
・共通テストの結果のみ、もしくは、共通テスト+独自入試の結果によって合否が決まる
・共通テストを1回受験するだけで複数の大学・学部に出願できるので、大学ごとの個別対策をする必要がない
・国公立大を第1志望とする受験生が私立大を併願する時は、共通テスト利用入試を利用するケースが多い

■全学部日程入試
・1つの大学の全学部・学科が同一の問題を使って同じ日に実施
・入試学部ごとに行われる入試と日程が異なるため、受験のチャンスが増える
・1回の試験で複数の学部・学科を受験できるのもメリット

■1~2教科型入試
・通常より少ない教科数で受験できる
・教科数が少ない分、受験勉強の負担が少ないが、受験生の人気が集中して高倍率になる場合も

■特定教科重視型
・事前に申請した教科を高配点にして合計点を算出
・特定の教科が得意な受験生が集まるため、厳しい戦いになる場合も

「1~2教科型」の入試は得意を活かせるのがメリットですが、高1・高2の早い時期から入試科目を絞り込んでしまうと、将来の志望大の選択の幅が狭まるので、一般的にはおすすめできません。

大学入試は情報戦! 保護者のかたの知識がお子さまの合格のサポートになる

国公立大・私立大の一般選抜について、「日程」「科目数」「入試方式」の3点からご紹介してきました。
保護者のかたが入試リテラシーを高めておけば、お子さまと一緒に志望大や利用する入試方式を検討したり、迷っている時にアドバイスを送ったりできます。
入試の基礎知識をしっかり押さえて、お子さまの進路を力強くサポートしてあげてください。

※2021年度入試から、推薦入試は「学校推薦型選抜」に、AO入試は「総合型選抜」に、と名称や制度が変わりました。ここではわかりやすく両方合わせて「推薦入試」として紹介します。

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