なぜ? 4年生から急速に高まる「国語」への苦手意識 必要なのは読書量より想像力
4年生になると、国語が苦手な子どもが増える!? その理由と、保護者の効果的なサポート法を、森上教育研究所の森上展安氏にアドバイスをいただいた。
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4年生になって国語が苦手なお子さまが増える大きな理由は、「読解問題」というものにふれるのが初めてだから。それまでは文章を“何となく”読んでいるだけでも問題なかったのに、登場人物の気持ちなど、文章の解釈を問われ、しかも“正解”を求められる。読解問題は小学校ではあまりやらず、本来なら中学の定期テストで初めてふれる子が多いのです。ですから、4年生で読解ができないのは当たり前と考えてください。
国語の苦手について学校や塾の先生に相談すると、「ちゃんと読書をしていますか」という答えが返ってくることが多いと思います。しかし、本さえ読めば国語が得意になるかというと、そうともいえません。国語が得意になるには、文章に描かれている内容を自分なりに再現する力が必要です。この力は「想像力」と言い換えてもよいでしょう。
「読む」という行為は、「間接体験」です。文章を通じて、情景を自分なりに再現し、筆者や登場人物が経験した出来事や感情、考え方を追体験すること。文章を読み取る力を付けるには、さまざまな実体験をすることと、体験と文章の内容を想像で結び付ける訓練が必要です。国語が得意な子は、これが自然にできているわけです。
なお、読解ができないからといって、いきなり読解問題ばかり解かせるのは逆効果です。登場人物の心情を問われても想像がつかないまま、答えだけ丸暗記するようなまちがった問題演習をくり返していると、想像力という大切な基礎力が育たないうえ、ますます国語が嫌いになってしまう恐れがあるからです。