目標は「学年+1時間」 意外と侮れない「ノートの見直し」
入学直後の新高校1年生は期待に胸を膨らませているだろう。しかし、実は高1の1学期は、3年後に控える大学受験の成否をも左右しかねない大切な時期。そこで新高1生に必要なポイントを、ベネッセ教育総合研究所の村山和生氏にアドバイスしてもらった。
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高校に入って多くの人が、授業のスピードの速さを実感していることでしょう。中学時代より量も速さも確実に増していますから、悠長に考えていると、いざ振り返ろうとしても、やるべきことの量の多さにがく然とすることにもなりかねません。最低限「ノートの見直し」をしましょう。その日に受けた授業のノートを見直して、書いてあることを理解でき、先生が授業でどんなことを話していたかを思い出せればとりあえずはOK。徐々に本格的に、自分なりに発展・応用につなげていってください。
1日の理想の勉強時間はよく「学年+1時間」と言われますが、慣れない新生活の中でまとまった2時間を確保するのはけっこう大変。ありがちなのが「平日は忙しくてできないから土日にまとめてやる」という失敗パターンです。内容をすっかり忘れていることがほとんど。振り出し状態からスタートすることになり、効率がよくありません。5分でも10分でもいいので毎日やること。習慣付けにもなりますし、何より身に付くのも速い。特に言語系の教科では毎日触れることが速く読む力、正確に読む力にも直結します。
毎日続ける一番のコツは、スキマ時間の活用です。通学時の移動時間や、放課後部活が始まるまでのちょっとした空き時間など、少しずつ時間を積み上げることで学習時間を確保するのが最も効率のいいやり方です。短時間でも毎日コンスタントにやる習慣が身に付いたら、次の目標に「学年+1時間」の学習時間を掲げてみましょう。なんといっても毎日触れ続けることが、高校の学習では最も重要なのです。