「高1クライシス」に保護者はどう向き合う?中だるみ&疲れ切っている子どもの見守り方

高校に入学して、4か月になろうとするころ。
科目数が増え、範囲もより広くなった期末テストを終えたばかりという一方、部活もいよいよ本格的になってきて忙しく、疲れた様子を見せているお子さまもいらっしゃるかと思います。
家に帰ってくるなりソファに倒れ込み、ずっとゴロゴロして勉強するそぶりもないと、だんだんイライラしてしまったり、言わないほうがいいとわかっていても「勉強しなくていいの?」と声を掛けたくなったりと、保護者のほうもやきもきされているかもしれません。
ちょっと中だるみな様子だったり、疲れて家では寝てばかりだったりするお子さまを、どのように見守っていくといいのでしょうか。
お子さまとのコミュニケーションをより良くするための「マザーズコーチングスクール」を提供している中原絵里子が、コーチングの視点で一緒に考えてみたいと思います。

この記事のポイント

1.「高校生は忙しくて、疲れている」事実を知る

お子さまはただなまけていたり、気が抜けたりしてしまっているのでしょうか。
中だるみしているのだとしたら、その理由は何でしょうか。

まず、高校生が忙しいことは事実です。
中学のころより通学時間がぐっと増え、電車やバスなどの混雑する公共交通機関を利用する場合も多いでしょう。
また、中学より科目数も増え、授業で使う教材は数も厚みも増して通学カバンがさらに重くなり、それを抱えて家と高校を往復するだけでも疲れてしまいます。
(一度試しにお子さまの通学カバンを持ち上げてみてください)

部活も本格化し、練習に熱心な部活に所属している場合は練習時間やミーティングが長く、帰宅時間が遅くなることも。
夏の大会に向けて練習がハードになり、休日も練習試合で遠征などゆっくり体を休める余裕がない場合も多いようです。

また、大きな環境変化のなか、お子さまは春からずっと精いっぱい気を張っていたのではないかと思います。
授業のスピードが速くてついていくのも大変だったり、小テストや課題がたくさんあったりと勉強が大変になったのはもちろんのこと、新しいコミュニティの中で新しい人間関係を築くだけでも、気疲れするもの。

人間の脳は、ここまで生きてこられた環境を、あるべき正しいものとみなして、変化をエラーととらえる傾向があるそうです。
まだ慣れない「アウェイ」な環境のなか、大なり小なりストレスをためてきていることと思います。

「またゴロゴロして……」と苦情を言いたくなる時もあるかと思いますが、お子さまの疲れている背景にどんな事情があるのかを理解して、共感する姿勢を持つことが大切です。

2.そのダラダラ、中だるみ? それとも自信を失いかけている?

それほど部活もハードではないし、通学時間も短いからそこまで負担になっていないはず。
それなのに我が子はなんだかずっとダラダラしていて、勉強している気配がない。

もしそんな状況だとしたら、それは気にする必要があるダラダラなのかそうではないダラダラなのか、見極める必要があります。

最初の緊張状態から少しずつ高校生活にも慣れてきて、気が緩んできているのが理由であれば気にする必要はありません。

ただもし、自信を失いかけていてやる気になれないなら注意が必要です。

中学までとは違って、高校は入学試験によって似たような学力レベルの生徒が集まっています。
また、高校の勉強は抽象度も上がり、授業のスピードも格段に速くなります。
テスト範囲が驚くほど広くなったと感じるお子さまも多いようです。
そのためテスト勉強に同じだけの時間とエネルギーをかけても、中学までと同じような結果が得られるとは限らないのです。
中学まで比較的良い成績だったお子さまが、「勉強したところで、高校では上位に入れそうもない」と悲観してやる気を失ってしまうケースも少なくないようです。

「このレベルはできる自分でいたい」というプライドは、勉強に向かう原動力になります。
保護者のかたも、お子さまができていることを認める声かけをしてあげましょう。

たとえば、

「そんなに疲れるぐらい毎日がんばっているんだね」
「疲れているのに、単語テストの勉強をしているんだね」
「ちゃんと朝早く起きられて、すごいね」
「通学カバン、こんなに重いんだね。高校になると勉強道具が増えるんだね」

こんな声かけでも、「がんばっていることを認めてもらえている」と感じられるはずです。
コーチング用語で「アクノリッジメント(承認)」というのですが、大切なのは「あなたの存在に気付いていますよ」ということがさりげなく伝わること。
あなたががんばっていることに気付いているよ、というサインを自然に伝えてあげましょう。

お子さまが少しずつでも自信を取り戻していけるように、見守ってあげていただきたいなと思います。

3.それでも自宅でお子さまは何をしないと困る?

日々忙しくて疲れているお子さまは、自宅でどう過ごすといいのでしょうか。
どれだけ疲れていても最低限やらなければならないことは何でしょうか。
それはお子さま自身もわかっているはずですし、自分で決めることでもあります。

学校からの課題や予習、小テスト対策などが課されている場合は、それだけはこなす。
短い時間でも机に向かう習慣を途切れさせたくないと思っているなら、15分だけでも集中して勉強する。
寝転んででもできるような、教科書の通読やスマホを使った暗記など、休憩しながらゆるめの勉強をする。
そういった自分で決めた勉強メニューを机に向かってこなしていけるお子さまもいますが、高校生にもなると勉強をするのは自宅とは限りません。

高校生活のリズムに慣れてきたら、自分なりにどの時間を活用して勉強時間を確保するか考え、工夫するようになっていくもの。

その典型的な例が、通学時間を有効活用して勉強すること。
ほかにも休み時間や朝少し早く登校して勉強するなど、自分の生活のなかのどこなら無理なく勉強の時間が取れるのかを考えて実行しているお子さまは多いです。
「家はリラックスする場所にしたいから、勉強は自習室や図書館で済ませてから帰ることにしている」といった声もよく聞かれます。

我が家の長女は高1のころから、友達と約束して朝早く学校に行き、自習スペースで1時間勉強しているそうです。
一人だと続かないけれど、友達が来ていると思うと二度寝はできない、と1年以上継続しています。
その分自宅では、勉強は最低限にとどめ、録画したドラマを見たりマンガを読んだりと、主にリラックスして疲れた体を休めることを優先しているようです。
ソファで長時間スマホを眺めているのを見ると気になってしまいますが、あれも必要な時間と思って黙って見過ごすように心がけています。
長女の高校は課題が多いことで有名なので、やるべきことは学校が提示してくれます。また、課題など課されたものをやらないタイプではないので、朝学習などどこかでこなす時間を取っているんだろう、と思えるのも安心材料になっているのだと思います。

部活などで忙しい日々を送りながらも難関大学に現役合格した先輩を見ていると、スキマ時間の使い方が上手な人がほとんどです。
短い時間でいかに集中できるか、たとえば「降りる駅までの15分間で英単語を2ページ暗記できるか」をゲーム感覚で取り組むなど、限られた時間で集中して達成感を味わう。
その結果「今日もできた」と思えて自己肯定感も上がり、日々の積み重ねで基礎力も身に付くといういい循環が回っているのです。

お子さまにとって、自宅で過ごす時間はどういう位置づけなのか。
短い時間を活用するなどして、最低限やらないと自分が困ることは何で、それをどこですると無理なく継続できるのか。

それが保護者のかたもわかっていれば、安心して見守ることができるはずです。
一度、さりげなく聞いてみるといいかもしれませんね。
意外な時間が勉強時間として活用されているかもしれませんよ。

まとめ & 実践 TIPS

高校生は本当に忙しく、毎日疲れている。
でもやらなきゃいけないこともある。
そのバランスの取り方に悩む声は本当に多いのです。
お子さまなりに葛藤しながらやり方を模索しているとしたら、それは非常に大切な成長のプロセス。
自分なりのスタイルを確立する機会を奪うことなく、見守ってあげましょう。

保護者としてできることは、おいしい食事と疲れを癒やせる空間を用意してあげることかもしれませんね(自戒もこめて)。
疲れていたり寝不足だったりするとイライラしやすいので、八つ当たりされたり塩対応されたりするのも、多少は仕方ないこととして理解してあげられたら、お互い被害を最小限で済ませられるかもしれません(笑)。

プロフィール

中原絵里子

中原絵里子

トラストコーチングスクール認定コーチ、マザーズコーチングスクール認定マザーズティーチャー。自分を信頼し、周りからも信頼されるためのコミュニケーションの技術を学ぶ講座「トラストコーチングスクール」や、子どもの自己肯定感を育むコミュニケーションを学ぶ「マザーズコーチングスクール」を提供する傍ら、目標に向けて継続的にサポートするパーソナルコーチングも。ライター、編集者としても活動中。『迷ったら、自分を好きでいられるほうを選べばいい』馬場啓介(あさ出版)に編集協力として参画。https://erikonakahara.com/

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