中高一貫校生の通塾率は、成績や学年に関わらずほぼ40%と一定
通塾率は、成績層とは関係がない?
上のグラフは、中高一貫校生のうち塾に通っている生徒の割合を、成績層別で学年ごとに表したものです。成績上位層、下位層ともに、学年が上がるにつれて通塾率が少しずつ上昇するものの、その値は3年間通してほぼ「40%」です。
全体の40%が塾に行っているというと、高校受験のない中高一貫校生にしては「多い」と驚く方もいるかもしれません。
ただ、成績層別に見ても差があまり見られないことから、この数字は、成績上位層であるか、下位層であるかということとは、それほど関係がないようです。
成績層によって差が見られるのは、「毎日の学習時間」
次に、下のグラフは、中高一貫校生の平日の学校の授業・塾以外の学習時間を、成績層別で学年ごとに表したものです。
成績上位層の生徒は、3学年すべてで半数以上が一日の学習時間を1.5時間以上取っているのに対し、成績下位層では、一日に1.5時間以上勉強している人は半数以下。学年が進むにつれて学習する時間は減り、中学3年生時は、その数は3割にも達していません。
このことから、成績上位層と下位層の差につながっているのは、「塾に通っている率」ではなく、「毎日の学習時間」だということがわかります。
家庭での学習時間を検証してみましょう
お子さまの定期テストの結果がふるわなかったときや、通知表の評価が下がったとき、選択肢として「塾」が浮かぶご家庭もあるかもしれません。
でも、データが示すとおり、成績と関係が見られるのは「塾に行っているかどうか」ではなく「一日にどれだけ学習時間を取っているか」です。
勉強方法の見直しを迫られたら、「塾に行くかどうか」の前に、まず「学習時間が不足していないか」を検証してみてはいかがでしょうか。それが、生活を急激に変えることなく、お子さまに合ったペースで勉強方法を改善していくための第一歩でもあるのです。
【中1生のお子さまには】
毎日、1.5時間をめやすに一定の学習時間を確保する習慣をつけるよう、声をかけてあげてください。
【中2・3生のお子さまには】
現在の家庭学習時間をいっしょに振り返り、お子さまが無理なく学習を続けられるペースをつかめるようサポートしてあげてください。