算数の文章題「克服のカギは絵や図で条件を示すこと」と中学受験の専門家
算数の文章題が苦手だという子どもは多い。ではその克服法は?論理的なタイプの小4女子を持つ母親の悩みに、平山入試研究所の小泉浩明氏が答える。
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【質問】
算数の文章題が苦手です。問題の中の必要な部分を抜き出すことが難しいようです。国語の説明文の読解が苦手なことと、関係があるのかと感じる時もあります。書かれていることを図に表してごらん、とアドバイスしても、図にするのは苦手なうえ、面倒だと感じてしまうようです。(小4女子の母親)
【小泉氏からのアドバイス】
算数の文章題と国語の説明文には決定的な違いがあります。算数では問題文中に書かれているものは「条件」と「目的」です。「条件」とは、答えを導き出すために必要な部品であり、数値や状態の形で書かれています。そしてこれらの条件から何を導き出すかを示しているのが「目的」です。解答者は、問題文の条件と自分の知識の中にある公式・解法を適切に組み合わせて、目的となる解を導き出します。「答え」は問題文中にはありません。
一方、国語の問題文には筆者のイイタイコト(要旨)と、イイタイコトを説明するための具体例、引用、補足説明などが部品として問題文に書いてあります。国語で問題を解くということは、問題文を分解してイイタイコトを問題文の中から抜き出すこと、要旨と他の部品との関係を理解することです。
算数の文章題で必要な部分は数値や状態などの条件です。それらの関係を理解し、組み立てて解を導きますが、この時に威力を発揮するのが絵や図です。文章で読むより図のほうがより直感的に理解でき、その効果は問題が複雑になればなるほど発揮されるのです。
やさしい問題から少しずつ描くことに慣れて、絵や図で置き換えて考えてみることの便利さやわかりやすさを体感しましょう。