夏休みの学習、ここがポイント!【高1、高2・数学編】

「ニガテを克服したい」「秋からの成績伸長につなげたい」など、夏休みの学習にそれぞれテーマを持っているはずです。家庭での自学自習が中心になる夏休み、各教科の学習上の山場、ポイントを理解したうえで、学習プランを立てることが重要になります。今回は、高1、高2の数学について、特に「苦手克服」を中心に、夏の勉強法のポイントを進研ゼミ『高校講座』の教材開発担当者がアドバイスします。


苦手な単元を特定し、優先的に勉強しよう

 この夏、数学の苦手を克服しようと考えて、学習計画を立てている人は少なくないでしょう。夏休みの学習が本格化する前に、ぜひ確認してほしいことがあります。それは「教科書を最初から順に見直していく勉強法」にこだわっていないか、ということです。もちろん、教科書を最初から見直すことが悪いというわけではありません。しかし実際には、数学に苦手意識がある人ほど、途中で嫌になってしまい、教科書の復習が終わらないということが起こりがちです。やはり、効率的に学習を進めるためには、特に苦手な単元から学習を始めたいものです。苦手を把握するのに使えるのが、これまでの定期テストと模試です。間違えた問題を解き直し、やはりわからなかったら、教科書に戻って復習をするのが効率的です。

 

「数学はどの単元も苦手だ!」という人は、高1生なら「数と式」「2次関数」(2次関数を習っていない場合は「数と式」のみ)から復習しましょう。高2生なら、高1のときに勉強した「2次関数」「図形と計量」をまずはしっかりと固めましょう。いずれも、ほかの単元とも関連がある、重要な内容だからです。

 

苦手な数学の、しかも特に理解が不十分な単元から取り組めば、実際に問題を解いてもわからないことの連続かもしれません。そんなときも、「苦手なのだから当然だ」と、焦らずに学習に取り組みましょう。途中で投げ出さないためにも、わからないことがあったときに質問できる相手を見つけておくことが大切です。部活や補習で登校したときに友達や先輩に聞いたりしてもいいですし、電話やメール等を使って友達に質問してもいいでしょう。

 

 

わからない問題には「正しい向き合い方」があります

 勉強のしかたについても、少しアドバイスしましょう。高1、高2では、問題は10分くらい考えて、それでもわからないときは解答解説を見たほうがいいでしょう。1問にじっくりと時間をかける勉強は高3の2次試験対策などで行うもので、今の自分にとっては、むしろ、時間をおいて翌日、もう一度同じ問題を解くほうがいいでしょう。

 

ただし、わからなくて、解答解説を見るときも、全部一度に見るのではなく、解答の最初の部分だけ見て残りを考えたり、計算は自力でやり直したり、図やグラフを描き直したりと、自分の頭と手を使ってみるようにします。解答解説を読むだけでは力はなかなかつきません。また、夏休みだからと新しい問題集を買うよりも、これまでに学校でもらった問題集やプリントなどを使って、同じ問題をくり返したほうが理解が深まります。学校の宿題プリントを解いて、わからなかった問題、理解に時間がかかった問題は、自分が持っている問題集や参考書から類題を探し、さらに解いてみれば言うことナシです。

 

1年生の2学期で多くの学校の数学の山場は、「2次関数」の残り部分と「図形と計量」です。2年生の2学期以降では、「微分法と積分法」をやる学校が多く、この分野は入試でとてもよく出る重要単元です。どちらも苦手な人が多い分野なので、わからないことが出てきても慌てる必要はありません。大切なのは、わからないときにそのままにせず、だれかに聞いて解決する習慣をつけることです。

 

長い夏休みを少しでも有効に使うため、効率的な学習計画を立てて、実行していきましょう。

 

 

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