家庭での読書運動4原則「みんなで、毎日、好きな本を、読むだけ」
普段はゲームで遊んだり、テレビを観たりすることが多く、あまり読書をしない──そんな子どもも少なくないだろう。そんな現実に対し、多くの小学校では「朝の読書運動」を導入し、子どもたちの読解力の向上に役立っているという。とはいえ、すべての学校で「読書運動」が行われているわけではない。そこで、家庭での読書運動導入を提案するのは、平山入試研究所の小泉浩明氏。小泉氏は、以下の4原則で家庭での読書運動を説明する。
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【みんなでやる】
基本的な考え方としては、《家族で読書をする時間を持つ》ということです。ご両親もそうでしょうが、ご兄弟も年齢が高くなるとなかなか参加することはできないかもしれません。しかし、たとえば夕食後、家族でテレビを見ながら過ごす時間があるのであれば、その一部を「読書の時間」とすることは可能でしょう。また、家族全員が無理であれば、ご本人とお母さん、そして小学生のご兄弟(姉妹)をメンバーとする読書会でも良いでしょう。
【毎日やる】
15~30分程度の短時間で良いですから、毎日行うことが大切です。たとえば、「平日の夕食後30分は読書の時間」と決めて、その時間は本を開くことを約束とします。飽きてしまっても、ほかの人の邪魔をしたり、ほかの遊びをしたりするのはルール違反です。その時間だけは、とにかく本を開いていなければなりません。これはある意味「強制」ではありますが、本を読むことを強いているのではなく、本を読む環境の中に入ることを強いているのです。つまり、無理矢理文字を読ませようとしているのではなく、文字を読む以外にはやるべきことがない状態に置くということです。静かに本を開いているのであれば、結果的に寝てしまっても仕方ないでしょう。ほかにやることがないので、本でも読もうかという気持ちになるまで待つということです。
【好きな本で良い】
本と呼べるものであれば、お子さまの好きなもので良いでしょう。マンガは本ではありませんが、図鑑など絵の多いものでもかまいません。お母さんの読ませたいものと、お子さまの読みたいものが違ってしまう場合も少なくないと思いますが、あまり焦ることなく好きなジャンルの本を自由に読むのが《読書の時間》の原則です。ただし、お子さまが手に取りやすいところにお母さんのおすすめの本をそっと置いておくことも良いでしょう。自然に手にとって、読み始める可能性は十分にあります。
【ただ読むだけ】
読書後の感想文などを書かせては興ざめです。あるいは、読書後の感想を口頭で言わせたり、筆者のイイタイコトを考えさせたりなども読書を嫌う原因になるかもしれません。ただし、お母さんもお子さまと同じ本を読んで、感想を交換するのは良いと思います。上からではなく、同じ立場で感想を述べ合うのは楽しいものです。