読書は好きですが、国語のテストでは解答のしかたがわかっていないようです[中学受験]
平山入試研究所の小泉浩明さんが、中学受験・志望校合格を目指す親子にアドバイスする実践的なコーナーです。保護者のかたから寄せられた疑問に小泉さんが回答します。
【質問】
読書は好きですが、学校の国語のテストでは解答のしかたがわかっていなのか、まちがえてしまいます。どのように指導すればよいのでしょうか。
相談者:小5女子(理論的・強気なタイプ)のお母さま
【回答】
授業をしっかり聞く、あるいは復習して問われ方・答え方に慣れる。
■読書とテスト問題は違う
まず、考えなくてはいけないことは、読書とテスト問題では取り組む姿勢に大きな違いがあるということです。読書では文章をどのように解釈してもそれは読み手の自由ですが、テストでは自分勝手な解釈は許されません。問題文を読む時は、あくまでも客観的な解釈が求められます。これは物語文でも同じで、登場人物の心情が問われる場合でも、文脈や心情表現を根拠に、その人物の気持ちを考えていきます。問題文を根拠に推測するわけですから、あくまでも論理的に考える必要があるのです。自分勝手に考えてはいけないので、読書が好きなお子さまでもテストの点数が芳しくない場合はあります。
■テストにはいくつかの種類がある
次は、テストについてです。テストにはいくつかの種類があって、たとえば授業の復習であるカリキュラムテストと、国語力一般を問う実力テストというような分け方もできます。カリキュラムテストは、授業で勉強した内容についてしっかり理解しているかを問うものです。一方、実力テストは、初めての文章や問いに取り組むものです。授業で教えてもらっていない内容もありますので、その名のとおり国語の“実力”が問われるものです。今回のご質問の場合は、「学校の国語のテスト」という表現から、恐らく授業の復習テストのことだと思いますので、復習テストを中心に考えていきます。
■学校の復習テストではなぜまちがえるのか
復習テストの場合は、主に授業で学んだ内容が出題されるはずです。一般的に、初めての文章を読んで解かなくてはいけない実力テストよりも解きやすいと思います。問題文もそのままの範囲が出題されているのであれば、初見のものよりはるかに速く読めることでしょう。にもかかわらず点数が悪い場合は、授業をよく聞いていない可能性が考えられます。先生が説明した内容は、テキストに載っていないこともありますから、それが出題されたらお手上げになることもあるでしょう。
また、授業中に学んだ知識をプラスして解くことを前提としている場合は、問題文の内容のみを根拠にして答えても、満足のいく点数をもらえないかもしれません。このように、授業の復習テストなどのカリキュラムテストで点数が思うようにとれない人は、もっと授業に集中する必要があると思います。
■問われ方・答え方に慣れる
ただし、授業をしっかり聞いていても答えられない場合はありえます。それは、問われ方、あるいはそれに対する答え方に慣れていない場合です。たとえば、授業で読んだ文章であっても、授業ではやっていないような方向の問われ方をされると、面食らう可能性はあるでしょう。そんな場合は、まちがえてしまった問いを自宅でもう1度復習してみましょう。問われ方といっても、数限りなくあるわけではありません。何度か取り組んでいくうちに、何が問われているのか、どのように答えればよいかがはっきりわかってくると思います。どのような試験でも同じですが、何度も演習して慣れてくれば得点率も徐々に伸びていくものです。