中学受験「小学6年生からの塾通いは問題点が多い」と専門家が指摘
中学受験において、「いつから受験勉強を始めるか?」というのは重要な問題。特にスポーツなどに打ち込んでいる高学年の子どもを持つ保護者にとっては、スポーツへの取り組みを応援してあげたい反面、勉強もしてほしいという願いもあり、悩むところだろう。森上教育研究所の森上展安氏は、そんな悩みを持つ保護者に対し、塾のスタート時期、特に小学6年生から塾に通うことについて解説する。
最近は不況の影響でしょうか、低学年からの入塾が減って5年生からの入塾が増えているという話を塾の先生から聞きました。それでも中学受験は、4年生から始める割合が最も多く、次は5年生となっていて、6年生からの入塾はごくわずかです。
というのも、中学受験の準備には少なくとも2年間はかかり、どの塾でも6年生からスタートできるカリキュラムにはなっていません。そうなると、集団指導のカリキュラムでは、終わってしまった単元は習ったこととして授業が行われるので、6年生から入塾した場合、わからないことだらけで授業についていけなくなると思います。
つまり、6年生から集団指導の塾に入るのはカリキュラムが合わない問題がありますが、個人に合わせてくれる個人指導や家庭教師で受験準備をすれば、受験は可能です。しかし、準備期間が短いので、事前にたとえば通信添削などで基礎学力を高めておくことが必要になります。
また、短期間の受験準備だからといって塾の費用が安くなるとは限りません。個別指導塾は、集団指導塾よりも学費が高くなるのです。このように、6年生からの塾通いは問題点がたくさんありますが、可能ではあります。