算数「数の性質」[中学受験]

算数の「数の性質」を取り上げます。実際の中学入試でも出題頻度の高い単元ですが、苦手意識をもっているお子さまも多いようです。分数や、けたの多い計算問題は一見すると難しく感じられますが、比較的やさしい基本問題から取り組み、くり返し解いていくことで、考え方や解き方のコツが定着していきます。実際の入試問題を例題に、ツカム先生がわかりやすく解説していきますので、じっくりと取り組んでみてください。


■算数「数の性質」

こんにちは。合格総理大臣 ミスター・ツカムです。
今回は「数の性質」を取り上げますよ。この単元は倍数、約数、素数(※)…などの整数の性質をしっかり理解することが重要です。
パズル的な問題で、推理(すいり)やひらめきが必要なこともあります。慣れていない人は最初はなじめないかもしれませんが、しっかり基礎(きそ)を定着させてください。
何度も言いますが、応用問題は基本問題の組み合わせです。
では、さっそく始めていきましょう。
(※)素数 : 2、3、5、7のように、1とその数以外に約数をもたない自然数のことを「素数」といいます。



問題1
100の約数は何個ありますか。
(多くの中学入試で出題される一般的な問題です)
問題1の考え方と答え
このような問題は、力ずくで答えを見つける人もいるでしょうね。

100ぐらいの数だと可能ですね。
1、2、4、5、10、20、25、50、100 …で、9つです。

でももし、500とかだったら少し大変です。5000とかもやりますか?(笑)

この機会に、簡単(かんたん)に約数の数を見つける方法を身につけましょう。
整数(自然数)を「素数だけのかけ算」で表すと、とっても簡単に見つかるんですよ。

100ならこんなふうに見つけますね。



100 = 2 × 2 × 5 × 5  と、かけ算の形で表せます。

この素数のかけ算の組み合わせによって約数が見つけられます。

  2 × 2 = 4
  2 × 5 = 10
  2 × 5 × 5 = 50  …のように。

つまり、素数の「2」と「5」を、それぞれ何回使ったかの組み合わせの数が、約数の個数です。
表をかいてみます。


「2」を0回、1回、2回の3通り、
「5」を0回、1回、2回の3通り使った組み合わせの数で、

    3 × 3 = 9  約数は9個です。
(答え) 9個

上の問題ができたら、1000の約数の数を求めてみてください。

    1000 = 2 × 2 × 2 × 5 × 5 × 5  なので、

「2」を0回、1回、2回、3回の4通り、
「5」を0回、1回、2回、3回の4通り使った組み合わせの数で、

    4 × 4 = 16

答えは16個です。 大丈夫(だいじょうぶ)ですか?


問題2
4けたの整数があります、その数を9倍すると、数字の並(なら)び方の順序がもとの整数と逆の4けたの整数になりました。もとの4けたの整数は    です。
(大阪星光学院中 2008年)
<問題2の考え方と答え>
この問題はパズル的な問題ですね。ひらめく人は一瞬(いっしゅん)で解けてしまいますね。
まず、アルファベットを使って筆算を書いてみます。

と書けますよね。

ここでまず、Aについて考えると、Aが2以上ならこの式は成立しませんよね。
A × 9 は2けたになりますから、かけ算すると5けたになってしまいます。
だから、A = 1 で決まりです。



次に、一の位の計算を考えます。D × 9 で、一の位が「1」になるかけ算は、9 × 9 = 81しかないです。
だから、D = 9 で決まりですね。



次に、百の位の計算を見ると、B × 9 で、Bが2以上の数だとくり上がってしまい、5けたになってしまいますから、この式は成立しません。
だから、B = 0 か、B = 1 のどちらかです。仮にB=0 としてみます。



9 × 9 = 81 で「8」がくり上がりました。十の位を「0」にするには「2」が必要なので、
9 × C の一の位が2になるときを考えると、
9 × 8 = 72 これならOKです。つまり、C=8です。


(答え) 1089

こんなふうに、どの位の計算に目をつければよいか、推理(すいり)して解いていく問題は楽しいですね。慣れない人は何度も同じような問題をさがして練習しましょうね。

プロフィール



大人気メールマガジン「コロンブス的・超発想で中学受験を成功させる方法」の発行人で、中学受験カウンセラー。メルマガは殿堂入りを果たす。理科・替え歌暗記法のCD『愛のメモリーTM』も作成。

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