学校案内 学校は「わかり易い」と評価も保護者「わかり難い」
進学する学校を選ぶにあたり、学校案内はかなり重要な位置を占めるが、保護者から「学校案内はわかりにくい」という話をよく聞くというのは、森上教育研究所主宰の森上展安氏。森上氏が「学校案内に関するアンケート」を行ったところ、保護者と学校の間で意識のズレが存在することがわかった。設問は以下3つ。
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設問(1):学校案内は、教育方針・校風が受験生本人にも理解できますか?
設問(2):学校案内は、入学後をイメージできる内容になっていますか?
設問(3):御校の学校案内を見れば「我が子に合う学校」かどうかがわかりますか?
結果は以下の通り
設問(1) | 設問(2) | 設問(3) | |
保護者 | 37% | 42% | 16% |
学校 | 46% | 48% | 45% |
保護者-学校 | -9% | -6% | -29% |
注)「保護者」は「はい」と回答した保護者の数を全体の保護者で割った割合。「学校」は、各学校が自校の学校案内について「はい」と回答すると予想した保護者の平均値
結果を見ると、いずれも保護者よりも学校側が「わかりやすい」と自負している様子が見えるが、森上氏は特に設問(3)について「『はい』と回答した保護者の割合が、わずか16%であったことは残念としか言いようがない」と嘆き、学校案内を理解している受験生・保護者は、学校の予想よりも30%近く下回ったことを「大きなギャップ」と指摘する。また、以下のような提案をした。
「全体として、学校は、受験生・保護者が学校案内の重要な事項を理解していると予想した割合の平均が50%にも満たないことを自覚していながら放置していることになるが、もう少しわかりやすい学校案内を作成する努力をすべきだと思う。
学校にとっても、わかりやすい学校案内は、受験生・保護者からも支持されるはずで、データを分析してみると、受験生・保護者が自校の学校案内を理解していると予想した割合が高い学校ほど、受験者数が増えていることがわかった。一方で、保護者はもう少し学校案内を理解する工夫が必要だと思う」