「おこづかい」について、専門家がアドバイス!

期間 2005/12/7〜2005/12/9 有効回答数753人

あけましておめでとうございます。今年も「教育発見隊アンケート」をよろしくお願いいたします! お正月明け2006年最初のテーマは、「子どもとお金」についてです。アンケート結果の概要は、2005年12月にお伝えした【前編】をご覧ください。今回は引き続きアンケートの結果を踏まえながら、NPO法人 金融知力普及協会の木村敬二 上席研究員に子どものお金との関わり方のポイントをまとめていただきました。

「そのつど渡す」はマイナスになることも

前回のレポート(【前編】)でも取り上げたとおり、今回の「教育発見隊」アンケートによると、半数以上の家庭でおこづかいをあげています(「おこづかいをあげているか」アンケート結果はこちら)。今回はそのおこづかいを「毎月とか定期的に渡す決まった額」として考えてみます。

「あげていない」という家庭では、定期的に定額を渡していないだけで、子どもに何かを「買って」とねだられたときにそのつど判断して買い与えているものと思われます。子どもにねだられた時に、「なぜそれを買うのか/買わないのか、必要なもの/不必要なもの」をきちんと子どもに説明できているでしょうか? それができていれば、子どもにも健全な金銭感覚が身についてくるでしょう。しかし、不必要なものを欲しがった時までそのつど買い与えていたのでは、おこづかいを上限なく与えていることと同じ意味になってしまいます。

その観点からは、定期的に決まった額のおこづかいを与えて、子どもに「我慢すること」や「計画性」などを身に付けさせるのがよいでしょう。おこづかいを与えることで、子ども自身が買いたいものとお金のバランスを考え、計算し、自分の行動(買うか買わないかなど)を決められるようになれば理想的です。

「いったん貯めてから使う」管理能力を身に付けさせる

おこづかいを何年生から与えればよいか、保護者にとっては悩ましいところです。今回のアンケート結果をみると、小学校中学年になるとおよそ半数の家庭でおこづかいをあげているようです【図1】。

【図1 おこづかいをあげているか(学年別)】


いつからあげるかについては、子どもによって時期が難しいようで、以下のような失敗談も寄せられました(カッコ内は子どもの学年です。以下同じ)。


  • 一度、決めて渡そうとしましたが、初回で全部使い切ってしまったので、まだ早いかと思っておこづかい制はやめています。(小4)
  • 以前、金額を決めておこづかいを渡していたとき、無駄使いが多く、お金の管理が全くできませんでした。おこづかい帳をつけさせたり、計画的に使うように何度も注意しましたが直りませんでした。足りなくなると友達を引き合いに出してねだるので、以後決まったおこづかいは渡していません。(小1)

子どもが成長するにつれて、交友関係や行動範囲が拡大していくため、学年が上がるほどおこづかいをあげる率が高くなるのは自然なことです。金銭感覚を身に付けさせるために早くからおこづかいをあげるという考えもありますが、「いったん貯めて使う」という管理能力がついてからでないとその金銭感覚も身に付かないものです。

大切なのは「ニーズ」と「ウォンツ」の区別

おこづかいはいくらにしたらよいかも親としては悩むところです。小学校中学年では300円〜500円、高学年は500円〜1,000円、中学生は1,000円〜3,000円、高校生では3,000円〜5,000円程度となっています【図2】。

【図2 おこづかいの金額(学年別)】   ※ 「0円」は含まない


子どもがおこづかいを欲しがる理由は様々です。そこでアンケートの結果を踏まえてお伝えしたいポイントがあります。まず、「何を買うためのおこづかいなのか」、「ここまでの費用は親が出してあげるから、それ以上は自分でおこづかいの中から工面しなさい」などのガイドラインをしっかり決めましょう。そして、そのうえで妥当な金額はどのくらいなのかを、次のように決めていけばよいのです。

そこで、子どもが何かを買うときに、そのものを


  • 必要なもの(=ニーズ)
  • 欲しいもの(=ウォンツ)

とに分けて考えてみます。例えば学用品は「ニーズ」として親が出すから、カードや駄菓子などの日常的な「ウォンツ」はおこづかいで買うようにして親は一切出さない、などとすることでおよその金額も見えてきます。ゲーム機や洋服などやや高価な「ウォンツ」までおこづかいの範囲でやりくりさせる場合は、やや多めの金額ということになります。子どもは計画的にそのお金を使わないと高価なものは手に入りませんし、親も子どもに買ってあげる分の前払いのつもりで、多めのおこづかいをあげます。

このように、必要なものと欲しいものは違うこと、欲しいものでもすぐ買えるものと計画的にお金を貯めなければ手に入らないものがあることを、おこづかいを通して教え、実感させることが大切です。また、子どもが「みんなは○○円もらっているのに、どうして?!」などと友人の例を引き合いに出してくる場合も(時にはうそをつくことも…)あるでしょう。しかし、子どもが主張する「周りは〜だから」という理由だけで安易におこづかいの金額を決めることは避けたいものです。

【前編】でも紹介したとおり、子どもが「おこづかいが欲しい」「おこづかいの金額を上げて」と言ってきたらどうするかという質問には、多くの人が「我慢させる」「合理的な理由を求める」などと回答しており、簡単には応じないようです。(「子どもからおこづかいについて要望があった時どう対応するか」アンケート結果はこちら


  • 何かやりたいことがあってお金が欲しいと言う時「それが本当に必要か? 他の欲しいものと比べて価値があるか」等を必ず考えさせるようにしている。ダメばかりでなく、使うことで大切と無駄の違いを学んでいくこともあると思うから。(小2)
  • 例えば「(今回買ってもらう代わりに)お誕生日のプレゼントは要らないから」などのトータルで勘定できれば、よしとする。(小4)

先ほどの「ニーズ」と「ウォンツ」の違いの確認や、"何かを得るために何かをあきらめなければならない"という一見当たり前のことを学習する機会として、おこづかいに関して親子でよく話し合いたいものです。

まとめ

「子どもがお金のことを口にするなんてはしたない」などと言う大人もいます。しかし子どもにとってお金は社会との接点です。お金を通して、自分自身の欲望のコントロールや社会のルール、ひいては基礎的な「生きる力」を学び、身に付けることができます。小さい頃からきちんとお金と向き合って、健全な金銭感覚をつけていってほしいものです。

前編でご紹介したように、お金の渡し方は定期、不定期様々です。子どもがある程度大きくなって、友達付き合いもあるだろうからと定期的に定額を渡すこともあるでしょうが、ここでお金を渡すことの意味づけを少し考えてみましょう。今回のアンケートでは、お金の渡し方には大きく分けて以下のタイプが見られました。


ここで考えたいのが「ごほうび」、「労働の対価」などの交換条件をどう子どもに果たさせるかということです。「No Work, No Money(働かざる者食うべからず)」という言葉がありますが、子どもの場合はお手伝いをしなくてもねだれば買ってもらえたりすることからなし崩しにされがちです。さらには、おこづかいは要らないからお手伝いをしないとか勉強をがんばらないなど、本末転倒の状況も生まれかねません。

一方で、子どもが勉強するのも、家族の一員としてお手伝いするのも当たり前のことと言えます。子どものやる気をうまく引き出せればよいのですが、一歩間違うとお手伝いも勉強もしないで無駄使いばかりすることにもなりかねません。おこづかいで何を買うかをあらかじめはっきりさせて、いったん決めたからには毅然とした態度で臨むことが親として必要ではないでしょうか。



■コラム〜お金に関して子どもに最も「甘い」のは祖父母

現代の子どもは、両親とそれぞれの祖父母からお金をもらい、6つのポケットを持つとも言われます。最近ではさらに両親のおじ・おばも加えて8つとも言われています。今回の調査でも祖父母の「甘さ」が顕著になっています。

 【お金に関して子どもにもっとも「甘い」のは?】

保護者以外の人からおこづかいをいただくのはありがたい反面、子どもの「我慢する」「計画的にお金を使う」といった教育を阻害することにもなりかねません。そこで、そのようなお金は必ず親に預けるとか、いただいたお金の一部でお礼のプレゼントでお返しをするとか、あらかじめルールを決めておくのがよいでしょう。



※ 今回ご寄稿いただいたNPO法人金融知力普及協会では、お金に関する様々な知識の普及活動を行っています。
【児童・生徒向け】
  お金の流れを切り口に生活や仕事、地域社会や経済の仕組みを学ぶプロジェクト(経済産業省より
  受託)にて実践的教育を実施中。このほか、小学生向けのお金教室など。
【社会人向け】
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●ホームページ http://www.apfl.or.jp  ●問い合わせ 03-5204-8270

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