受験勉強、お父さまの見守り方とは[内申対策、保護者ができること 第4回]
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お父さまも熱心になっている
4月の土曜日、神奈川県のある塾で講演しました。神奈川県の入試は2013年度からこれまでの前期選抜・後期選抜が一本化され、全員に学力検査・面接が課されるようになるなど、大きく変化します。それだけに、会場には多くのお父さまの姿がありました。講演後の質問も、お母さまよりお父さまからのほうが多かったくらいです。
一昔前までは、お父さまというと、仕事に追われてギリギリまで無関心でいたものです。いざ受験校を決めるという段になって、「どうしてそんなレベルの低いところを受けるのだ!」「○○なんてお父さんのころはどうしようもない学校だったぞ!」などと言い出し、子どものモチベーションを直前になってむちゃくちゃにする困った存在、というのがおきまりでした。
しかし、最近は非常に熱心になお父さまが増えてきています。
実は受験のシステム自体に、お父さまを夢中にさせる部分があるのです。自分が努力・練習するのではなく、努力・練習するのはあくまでお子さま。一方の自分は指示する立場。それでいて、毎月のように自分の「指示」の成果が目に見える形であわられる。いわば野球の監督の醍醐(だいご)味を味わえるので、はまりやすいのです。
お父さまは我が子の「実力」がわからない
お父さまは、よそのお子さまと接する機会がないかたが多く、まず他人のお子さまは視野に入っていません。わが子の客観的「実力」は、偏差値など紙の上でのことで、よそのお子さまと比較してわが子はどうなのか、実感としては少しもわかっていないことが多いのです。お父さまがつい高望みするのも、わが子の「実力」がわかっていないからなのです。
また、お父さまの中には一生懸命になるあまり、「○○しろ」「ダメじゃないか」「こんなことではどこも受からないぞ」……といった叱咤(しった)激励ばかりになる人がいます。
内申点対策も含め、受験を成功させるためには、お子さまの気持ちを前向きにし、自分が受験の主役であるという意識にさせることが何より重要です。お父さまはつい仕事のように、「いつ、何を、どうやるか」指示したくなります。会社での目標管理のように、我が子の成績を向上させようとプランを立てたりもします。
こうなるとお子さまは何事も親がやってくれるのが当たり前、決めてくれるのも親のように思うお子さまになってしまいます。こういうやり方では仮に合格しても、将来伸びません。
お父さまが参加するのはいいのですが、お子さまを管理するのではなく、お子さまを自立させるためにはどのように接したらいいか、常にそのことを意識しながらお子さまとコンタクトを取っていただきたいと思います。
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