都道府県によって異なる内申点の決め方[内申対策、保護者ができること 第1回]
高校入試を意識し始めると、保護者の方がたの間では決まって「内申(内申書、内申点)」が話題になります。「先生が恣意(しい)的に付けているのではないか」「隣の学校は付け方がすごく甘いらしい」「PTAの役員をするといい点を付けてもらえるようだ」……だいたいが不安になるような話ばかりです。そこで今月は「内申」と保護者のかたの姿勢についてお話ししましょう。
内申点の決まる学年は都道府県により異なる
最初におことわりしておきますが「内申書」というのは通称で、正式には「調査書」といいます。ですから本来は「内申点」ではなく「調査書点」なのですが、よく「内申」「内申点」と言い習わされているので、ここでは「内申」といいます。
まず、ご自分の都道府県では、どの学年の成績が調査書に記入され、志願先の高校に提出されるかご存じでしょうか? 学校からお話があったのではないかと思いますが、忘れているかたも大勢いらっしゃるでしょうから、ここで整理しておきます。
内申点の 対象とする学年 | 都道府県 |
---|---|
A(1年・2年・3年とも) | 北海道、青森、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、新潟、山梨、岐阜、滋賀、京都、和歌山、島根、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、沖縄 |
B(2年と3年) | 岩手、神奈川、富山、石川、奈良 |
C(3年のみ) | 秋田、山形、東京、福井、長野、静岡、愛知、三重、大阪、兵庫、鳥取、岡山、福岡、鹿児島 |
非公表 | 宮崎 |
学年ごとの対策
お子さまは何年生でしょうか? 学年ごとに考えてみます。
中1 お住まいがAに該当する道府県であれば、1年次の成績も高校受験に影響することを、お子さまに早めにお話ししてください。1年生のうちから集中力を持って授業を受け、ぜひ最初の中間試験で好スタートを切ってほしいからです。最初の試験の成績がいいと、子どもは自信を持ち、勉強への意欲も増します。また、自信があると中学校生活全般にわたって積極的になるものです。
中2 1年は修了してしまいましたが、2年次の成績が記入される地域は、表にあるように3分の2の32道府県もあるのです。ですから、2年生からでも高い内申点を取れる可能性は十分あるとお話しください。Cの都府県であっても、3年生で好結果を得るためには、数学・英語など積み上げ教科は2年生の範囲からキチンと理解しておかなければ、3年生になってからがんばっても難しいことを伝えてください。
中3 Cに該当する都府県以外のお子さまの中には、「1年次・2年次の成績はもう決まっているから、高い内申点を取ることは不可能だ」と、あきらめてしまっているお子さまもいるかもしれません。ですが、3年次の成績が付けられると言っても、3年次の成績だけ2倍するなど、3年次に比重が置かれている県が多いのです。あきらめず、1点でも内申点を上げておくことは、高校入試の合否の判定で大変有利になることを伝えてください。
もちろんCの都府県の場合は、「すべてがこれからのがんばり次第よ」と、これを材料にして励ましてください。