「昔の道具」が適性検査に出されるワケは? 便利な電化製品の歴史を探ろう!

昔の道具、昔の生活を調べてみよう

昔の道具や生活について知るには、おじいちゃん・おばあちゃんや近所のお年寄りに話を聞いてみるのが一番です。昔の道具といってもお子さまはなかなかイメージできないかもしれませんが、倉庫に眠っている古い生活道具を見せてもらったり、おじいちゃん・おばあちゃんが実際に苦労した話を聞いたりすると、お子さまも実感を持って昔の暮らしの大変さを知ることができるはずです。近くに話を聞くお年寄りがいない場合、親子で博物館に行って昔の道具について学ぶのもオススメです。

では、昔の道具についていくつか紹介しましょう。最初は「冷蔵庫」です。
冷蔵庫の始まりは「氷室」だと言われています。地面の穴や小屋などで冬場にできた氷を夏まで保管していました。その後、氷を入れて使う冷蔵庫が使われるようになりました。上の「適性検査での出題例」で取り上げられているのはこの冷蔵庫です。中が2段に区切られていて、上の段に氷を入れて使います。これは、「冷やされた空気が下に下がる」という空気の性質を利用したものです。空気の性質については小学校の理科で習いますので、覚えておきましょう。公立中高一貫校の適性検査では、「電気冷蔵庫が家庭で使われるようになり、人々の生活は大きく変化しました。どのように変化したと思うか100字程度で書きましょう」という問題も出されました。家電の性能が向上し便利になった半面、学んだ知識を自分なりに工夫して使いこなす機会が減ってしまったのも事実です。さまざまな道具が進化したことで人々の生活がどう変わってきたのか、考えてみましょう。

今度は、昔の暖房器具について知っておきましょう。昔、空気や体を温めるために使われた暖房器具には、火鉢、まきストーブ、石炭ストーブ、暖炉、湯たんぽ、囲炉裏、こたつなどがあります。保護者のかたの中にはこれらの暖房器具の中のいくつかを記憶しているかたもいらっしゃるかもしれませんが、今ではほとんどなじみのないものです。
まず、日本で平安時代から使われていた暖房器具が「火鉢」です。火鉢は、中に炭を入れて燃やした容器のことで、その上でお湯をわかしたりしました。保護者のかたもご存じの「湯たんぽ」は、お湯を入れた容器を布団の中に入れ、体を温めます。
昔の家の板の間にあったのが「囲炉裏」です。四角形に囲った場所に灰を敷き、木などを燃やしました。囲炉裏の上に鍋をつるして調理をしている様子を昔話や博物館で見たことがあるお子さまもいるのではないでしょうか。囲炉裏は、体を温める道具であるだけでなく、調理の道具でもありました。また、照明器具の機能も果たしていたと言われています。昔は、囲炉裏の周りには家族全員が集まり、食事をしたり団らんを楽しんだりしました。今でもおなじみの「こたつ」は、室町時代に生まれたと言われています。
それでは、世界の暖房にはどんなものがあるのでしょう。世界の暖房には、暖炉、ペチカ、オンドルなどがあります。それぞれの暖房器具がどのようなしくみになっているのか、どのように使われていたのかなど、親子で調べてみてはいかがでしょうか。世界の気候や人々の生活に興味を持つようになるとともに、空気の性質やものの温まり方などを学習するきっかけにもなるはずです。
また、家庭で昔の生活を体験してみるのもいいでしょう。鍋でご飯を炊く、洗濯板とたらいを使って洗濯をする、はかりを使わずに2つのものの重さを比べる方法を考えるなどの体験を通して、今の生活と昔の生活がどう違うのかを考えたり、自分で工夫して新しいものを生み出したりする力が育まれます。


親子でやってみよう

下の昔の道具について、その道具が何のために使われていたのか、またはどんなことに役立っていたのか調べてみましょう。

 ●馬車
 ●かんじき
 ●蓄音機
 ●土器


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