もし夏休みに停電が起きたらどのような影響があるか [中学受験]
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6年生にとって、夏休みが中学受験の天王山となるが、今年の夏休みは停電があるのではないかと心配している親も多いのではないか。関東地方では、輪番停電の影響で、春期講習を実施できなかった塾もあったようだ。春といってもまだ寒く、停電すれば暖房が使えないため授業にならない。さらに問題なのが照明だ。学校と異なり塾はビルの中にある場合が多く、自然採光だけでは薄暗くて黒板の文字も見えないことになる。
毎日停電する時間帯が異なる輪番停電のシステムが塾の運営を困難にしている。公平性を重視してこのようなシステムを行っているのだろうが、塾にしてみれば、予定通りの時間帯で授業をしようとすれば、授業ができる日とできない日がでてしまう。輪番停電の日程に合わせて時間帯を変えて授業を行うと時間割が組めないだけでなく、勘違いして欠席する生徒や先生も出てしまう可能性が高い。どちらにしても授業にならないので春期講習を取りやめにしたのだろうが、合否につながる夏期講習はそうはいかない。万が一停電になった場合、少なくとも、毎日停電の時間帯を変えるのではなく、一週間単位で時間帯を変えてくれれば塾だけでなく他の産業も、そして受験生も助かると思うのだが。
夜間に停電があれば、自宅でもその間は勉強ができないだろう。子どもにしてみれば、勉強したくともできない経験はなかったと思うので、最初は「ラッキー」と思うかもしれないが、よく考えてみれば「これはゆゆしき問題かもしれない」ということに気が付くだろう。今はまだよいが、受験が迫ってきて、勉強しなければいけない時期になってきてこのように勉強したくともできないことがあり得るのだ。だから、勉強できる今のうちにしておこうという気持ちになればよいと思うので、子どもに気付かせるようにしてあげてほしい。
ところで、学習環境が悪くとも、逆にそのことをばねにして、困難に立ち向かって勉強する子どもたちがいた。阪神・淡路大震災で被災した子どもたちが避難所生活の中で勉強して、被災しなかった生徒よりも受験結果が良かったことがあった。限られた時間しか勉強できない環境だからこそ、集中力が増す。しかも、集中力をコントロールすることができるようになる。集中力が高ければ、学習効率が良くなり、成果に結びつきやすくなる。
今年の夏休みは、もしかすると停電の影響はあるかもしれないが、停電という困難を嘆いていてもはじまらない。どんな困難にも悪い面だけではなく、必ず良い面があるはずという発想を持つべきだ。上で述べたように、今の困難を子どもの成長につなげることは、発想の転換と子どもとのコミュニケーションで実現できる。中学受験という困難を親子の二人三脚で立ち向かうだいご味がここにある。前向きに勉強することでどんな環境でも集中でき、充実した夏休みを送った体験を持たせることが、どんな困難にも打ち勝つ自信となって、子どもにとっては大きな宝物となるだろう。
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