【中学受験】男子校・女子校・共学 それぞれのメリットとは? 寮生活で地方の学校についても解説

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子どもが6年間を過ごすことになる中高一貫校にもさまざまなタイプがあります。男子校・女子校、共学、それぞれにどのようなメリットがあるのでしょうか。また寮生活で地方の学校についても、森上教育研究所が解説します。

この記事のポイント

異性の目を気にせず伸び伸びと過ごせるのが男子校・女子校のメリット

共学より男子校・女子校のほうが向いているタイプは?

共学は異性の目がどうしても気になってしまう面があり、精神的に成熟しているお子さんであればそれをバネにして競争意識を持ったり、切磋琢磨したりしつつ学校生活を送ることができます。

しかし、おとなしいお子さんは、そうした環境に緊張してしまったり萎縮してしまったりする場合があります。したがって、おとなしいお子さん、自分の内面をあまり人に見せたくないタイプのお子さん、精神的な成長がややゆっくりめのお子さんは、男子校・女子校のほうが伸び伸びと過ごすことができる場合が多いでしょう。

学校に異性がいないことのメリット

男子校・女子校の場合、異性がいないため「男子だから」「女子だから」ということをあまりに気にせず過ごすことができる点もメリットです。

男子校・女子校に行くとそうした性差を意識することがないため、みんな元気になるということがよく言われています。また、日本の社会ではまだ女子の社会進出が不十分なので、女子の強固なネットワークができるという点も女子校のメリットです。

男子・女子別学でそれぞれの特性を生かした指導も

男女別学のよさは? 鷗友学園の例

さらに男子・女子別学ならではの良さを生かして高い実績を出している学校もあります。

例えば、例年理系学部に高い合格実績を出している鷗友学園(女子校)には、理数教科の教え方に独自の工夫があります。男子に比べ、女子は論理の飛躍が苦手な傾向があるので、数学はよりきめ細かくステップを踏んだテキストを使っているそうです。

また、同校では中1の間だけ少人数の8クラス制を取り、3日ごとに席替えを行います。これは、女子は小グループの中でつきあいが完結しがちなので、早いうちになるべく多くの仲間とコミュニケーションを取れるようにするための工夫だそうです。

男女別学のよさは? 国学院久我山の例

一方、国学院久我山は、授業は男女別、部活動や行事は男女で協力しながら、という男女別学を取っています。男子の授業では男子ならではの競争意識を大切にし、女子には積極的に新しいことを取り組ませるといった、男女の特質を生かす方針だといいます。

特に特徴があるのはキャリア教育で、子育てや親の介護は、まだ女性の負担が大きい現実を踏まえ、社会で活躍していく女性を育てるために、女子のキャリア教育は男子より1年早い中2から始めています。

「寮生活」という選択肢のメリット

地方の中学校の良い点は?

寮生活を前提にご自宅から離れた地域の学校を選択するという考え方もあります。
地方の学校には、自然環境の豊かさに加えて、寮での課外活動や学習支援が充実しているといった良い点があります。

農業体験や自然観察など、体験学習が充実している学校も多いですし、自主学習時間を設け、寮教諭や卒業生がチューターとして巡回し、質問に答えたり、小講習会を行ったりしているところも数多くあります。

また、寮生活の中で友だちと寝食を共にし、もまれる中で人格が練れてくるというメリットもあります。あえて親元から離れ、友だちと学習や課外活動に打ち込んだ結果、自立心を養うことができたという声もよく聞かれます。

大学進学実績がよい地方の中高一貫校

近年、高い難関大学合格実績を誇る地方の寮制中高一貫校も増えています。

例えば早稲田佐賀は、早稲田大学系属ですから早稲田大学への入学を考えるお子さんには首都圏から進学する価値があるでしょう。
他にも医学部に強いラ・サールや愛光、北嶺、佐久長聖など、それぞれ進路に特色がありますから、そうした出口に着目して学校を選んでもよいでしょう。

まとめ & 実践 TIPS

男子校・女子校は、おとなしいお子さんや精神的な成長がややゆっくりめのお子さんも伸び伸びと過ごすことができ、性差を意識することがないため、みんな元気になるというメリットがあります。
男子・女子別学ならではの良さを生かして高い実績を出している学校もあります。また、寮生活で地方の学校を選んだ場合、寮での課外活動や学習支援が充実しており、親元から離れた環境で自立心を養うことも可能です。高い難関大学合格実績を誇る学校も多いので、検討する価値はあるでしょう。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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