国立大付属校に向いているのは、どのような子ども?【中学受験】

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国立大付属校は進学実績が高く費用もかからないことから、受験校の一つとして検討されているかたも多いことと思いますが、向き不向きははっきりしています。国立大付属校にはどのような子どもが向いているのか、森上教育研究所がお伝えします。

研究者などの知的エリートを目指す子どもに最適

国立大付属校の一番の特徴は、教育の研究を目的としているため、非常に本質的な学問を志向した授業を行っているという点です。先生も選抜された優秀なかたが多く、アカデミックな授業が行われます。そういう面では、研究者のような知的エリートをめざすお子さんには、最も適した学校と言えるでしょう。

ただ、国立大付属校は、中学なら中学の教育の研究、高校では高校の教育の研究を目的とした学校です。そのため、筑波大学附属駒場や東京学芸大学附属国際などの中高一貫校以外の多くの学校では、中学、高校の教育内容が独立しており、ぶつ切りで一貫していないという側面があります。これは中学、高校の勉強が非常に高度に完結しているともいえますが評価は分かれるでしょう。

また、中学、高校でそれぞれ人間関係もシャッフルされますので、マイナスと取るかたもいらっしゃるかもしれません。一方で中学、高校でシャッフルされるほうが、人間関係はうまくいくと受け取られるかたもいらっしゃるでしょう。こうした環境を国立大付属校のよさとして捉え、おもしろいと考えられるようなお子さんにはおすすめできます。

受験進学校ではないため、自分のペースで学習できる子ども向き

また、しっかり認識しておきたいのは、国立大付属校は都立中高一貫校などとは異なり、受験進学校ではないということです。生徒は非常に優秀なので進学実績は高いのですが、学校では受験対策は一切行われません。東大に何人入っているから、といった理由で進学先として選んでしまうと「思っていた学校とは違った」ということになりかねないので注意が必要です。

特に教育学部の付属の場合、教育実習生が授業をする期間が長く、研究テーマに絞った実験のためにカリキュラムとあまり関係ない授業がじっくり行われることもあります。こうした学校環境の中でも、先生は先生、自分は自分と捉えて自らコツコツと学習を続けていけるようなお子さんであれば、のびのびと成長していくことができるでしょう。

以上のように、国立大学付属校は向き不向きがかなりはっきりしています。また、中には国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)を導入している東京学芸大学附属国際のように非常に個性的な教育を行っている学校もあります。教育の中身をきちんと確認し、お子さんに向いている場合に検討されるといいでしょう。

まとめ & 実践 TIPS

国立大付属校は、研究者のような知的エリートをめざすお子さんや、中学、高校の教育内容が独立しており人間関係もシャッフルされますので、これをおもしろいと考えられるお子さんにおすすめです。また、国立大付属校は進学実績が高い一方で、学校で受験対策は行われませんので、自分でコツコツと学習を続けていけるようなお子さんに向いていると言えます。教育の中身をきちんと確認し、お子さんに向いている場合に検討しましょう。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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