インフルエンザと受検に勝つ! 大事なシーズン、冬を賢く過ごすノウハウ特集!
※2008年1月現在の情報に基づいた記事です。
1月・2月は多くの公立中高一貫校で適性検査が行われます。保護者のかたがこの時期に最も気を使うのは「適性検査当日の体調」ではないでしょうか。
折しもインフルエンザの流行と重なることも多く、家族の誰かがダウンすると、一気に家中にうつってしまうことも。家族ぐるみでインフルエンザの予防接種を受けられるご家庭も多いのではないでしょうか。 6年生でなくともこの時期、お子さまの体調には気を使いますよね。目標に向けて毎日努力を積み重ねることや、心身の調子も含め自己を管理していく力は、公立中高一貫校受検においても非常に重要です。
今回の「時事コラム」では、大事なシーズンの受検家庭を、風邪・インフルエンザ予防と適性検査対策の両面から応援します。
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冬の悪役インフルエンザは、種類は違いますが、風邪と同じ「ウイルス」が原因で発症します。しかしながら風邪よりもずっと重く、頭痛や関節痛といった痛みから高熱や悪寒まで、全身につらい症状を引き起こすために、風邪とは別格で扱われています。
それではなぜ、インフルエンザは冬に流行するのでしょうか。
その理由は、気候的な問題が密接に関係していると考えられています。
インフルエンザウイルスは冬の乾燥した空気や気温が低い環境を好むことに加え、人間ののどや鼻の粘膜も、その乾燥した空気で荒れやすくなります。こうした要因が重なり、大流行の引き金となってしまうようです。
さて「冬は空気が乾燥している」。これはよく耳にすることですが、夏と比べてどの程度乾燥しているのでしょう。
親子でやってみよう
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
気温(℃) | 7.6 | 8.6 | 10.8 | 13.7 | 19.8 | 23.2 | 24.4 | 29.0 | 25.2 | 19.0 | 16.6 | 13.2 |
湿度(%) | 45 | 45 | 44 | 59 | 58 | 66 | 74 | 66 | 71 | 63 | 56 | 53 |
※青色の12月~2月が気象庁の定める冬期。赤色の6月~8月が夏期。
(1)一番湿度が高い月は? また、一番低い月はいつでしょう。
(2)上の表から折れ線グラフを作ってみましょう。
<答え>
(1)湿度が一番高いのは7月、一番低いのは3月
(2)
気温と湿度の折れ線グラフは、下のように1つの表にまとめる方法でもかまいません。このほうが1年を通じての湿度と温度の変化がわかりやすいですね。表の見やすさについて親子で話し合ってみてください。
こうした気温や気象に関する理科分野の問題は適性検査でも多く取り上げられていますので、ぜひこれをきっかけに親子で興味をもって考えていただければと思います。
出題例
・気温の動きを記した表をグラフ化させる問題
・提示された気温にふさわしい服装を考えさせる問題
さて、ここからはちょっと難しいお話になりますが、湿度についてもう少し詳しくお伝えしていきます。興味のあるかたはこちらもご覧ください。
「湿度」には「絶対湿度」と「相対湿度」の2種類があり、私たちが普段「湿度」といっているものは「相対湿度」のほうです。
絶対湿度(より正確には、重量絶対湿度)とは、1立方メートルの容積の中に含まれる水蒸気の量をいいます。また、1立方メートルあたりに含まれうる最大の水蒸気の量のことを飽和水蒸気量(ほうわすいじょうきりょう/単位はグラム)といいます。この飽和水蒸気量を超えると、水蒸気は気体ではいられなくなってしまいます(※飽和水蒸気量は中学理科で学ぶものなので、お子さまには「空気の中にとけこんでいられる水の量」といった簡単な言葉づかいで説明してあげてください)。
飽和水蒸気量は温度によって変化し、温度が高くなると飽和水蒸気量も増え、低くなると減る性質があります。このことからも、夏は気温が高く、そのぶん空気に水分を多く含むことができ、逆に気温が低い冬は空気が夏ほど水分を含んでおけないということがわかります。
冬の1日を取り上げても同じことがいえます。例えば部屋の中に同じ水蒸気の量があった場合、気温が高い昼間は空気中に気体となっていられる水蒸気も、夜間に気温が下がると気体として空気中にとどまっていられなくなり、結露(=水)となったりします。
さて相対湿度に話を戻してご説明しましょう。
相対湿度とは、上記で説明した絶対湿度(実際の水蒸気量)を飽和水蒸気量(気体でいられる水蒸気の最大量)でわり、百分率(%)で求めた値のことをいいます。
上記のようなグラフ化などの取り組みだけではなく、実際に冬に室内に洗濯物を干したときの乾き具合と湿度の変化を親子で調べてみるなど、毎日の生活と知識の結びつきを体感する工夫もしてあげたいものですね。