「昔の道具」が適性検査に出されるワケは? 便利な電化製品の歴史を探ろう!
※2006年11月現在の情報に基づいた記事です。
夏の間大活躍した冷房の代わりに、今度は暖房が必要な季節となりました。冷房も暖房も、私たちの生活を快適にするために欠かせない道具です。今回の時事コラムでは、身近にある電化製品などから、適性検査で取り上げられる「昔の道具」について考えてみましょう。
急速に進化した家電。今話題の「地デジ」って?
家電の王様であるテレビは今、大きな局面を迎えています。2003年12月に関東圏・中京圏・近畿圏の三大都市圏で放送が開始された「地上デジタル放送」です。放送地域は現在、全国各地に広がりつつあり、2011年には地上デジタル放送に完全に移行します。地上デジタル放送になると、放送局から家庭へ、映像や音声の信号をデジタル信号に変えて電波に乗せることになります。これにより、どの地域でもより高品質な映像と音声を楽しむことができるようになり、番組と連動した情報や災害情報など多くの情報を得ることができるようになります。白黒テレビが主流だった時代には、これほど大きな進化は想像できなかったのではないでしょうか。
進化した家電はテレビだけではありません。電子レンジや電気炊飯器、パソコン、エアコン、全自動乾燥機付き洗濯機、床暖房の普及、照明器具の多様化、温水洗浄便座の登場にいたるまで、電化製品の性能はこの30年ほどでぐんと向上しました。その間、電話は黒電話からプッシュホン電話、FAX付き電話に進化しました。
技術が進み、便利な世の中になった一方で、昔ながらのものづくりが衰退し、受け継がれてきた工夫や知恵が失われています。公立中高一貫校の適性検査では、昔の道具のしくみや工夫、その理由を考えさせる問題が出されています。このような問題では、昔の道具そのものに関する知識があるかどうかということよりも、習った知識が生活の場でどのように生かされているのか発見することや、もののしくみや工夫について考えることができるかどうかが重要なカギとなります。つまり、知識を使いこなす力や考える力、課題発見力、課題解決力が試されているのです。
- 適性検査での出題例
- 氷を入れて冷やす昔の冷蔵庫の写真を見て、氷を入れた場所とその理由を書く問題
- かまどの写真と図を見て、たきぎがよく燃えるためにかまどにはどんな工夫がされているか、またその工夫の理由を書く問題
- てんびんのしくみを説明する問題