「ノーベル賞」から日本の科学と科学者について考える
※2009年4月現在の情報に基づいた記事です。
2008年、日本から4人の「ノーベル賞」受賞者が生まれたニュースは、マスコミでも大きく取り上げられました。ノーベル賞は世界で最も権威のある賞のひとつとして知られ、主に自然科学の分野で名だたる業績を上げた個人や団体を表彰するものです。そこで今回は、ノーベル賞と日本の科学者にまつわるエピソードを取り上げました。
クイズde基礎知識
日本人の受賞者は多い? 少ない? 受賞したのはどんな人?
Q1
2008年までの日本人の自然科学分野(物理学賞、化学賞、生理学・医学賞)のノーベル賞受賞者数は13人(日本生まれで受賞時アメリカ国籍の南部陽一郎さんを含む)。3分野のうち最も多いのはどの分野でしょうか。
A. 物理学賞
B. 化学賞
C. 生理学・医学賞
A2 正解は 「A. 物理学賞」 です。
いちばん多いのは物理学賞の7人。2008年の南部陽一郎さん、益川敏英さん、小林誠さんの3人が加わって一気に増えました。化学賞は2008年の下村脩さんで5人に。生理学・医学賞は1987年の利根川進さん1人だけです。
Q2
2008年までの日本人の自然科学分野のノーベル賞受賞者の中で、受賞時の年齢が最年少なのは誰でしょうか。
A. 湯川秀樹さん
B. 田中耕一さん
C. 小林誠さん
A3 正解は 「A. 湯川秀樹さん」 です。
湯川秀樹さんは1949年、日本人初のノーベル賞受賞者(物理学賞)としてよく知られていますが、そのとき42歳の若さでした。Bの田中耕一さん(2002年、化学賞)は43歳、Cの小林誠さん(2008年、物理学賞)は64歳。最年長は南部陽一郎さん(2008年、物理学賞)の87歳です。
Q3
2008年に化学賞を受賞した下村脩さんが、1962年に受賞理由となったGFPという蛍光物質を発見したのは以下のどの生物からでしょうか。
A. デンキウナギ
B. クリオネ
C. オワンクラゲ
A3 正解は 「C. オワンクラゲ」 です。
オワンクラゲは日本各地の沿岸で見られ、青く光ります。下村脩さんは、30歳代前半だった1962年、アメリカ・プリンストン大学留学時に、GFPという蛍光物質がこの青い光の元だと発見しました。それから30年以上後、アメリカのチャルフィーさんとチエンさんがGFPを他の生物の細胞に入れることに成功したのがきっかけで、両氏とともに受賞したのです。
Q4
2008年に物理学賞を受賞した益川敏英さんが、受賞記念講演の中で、少年時代、科学への興味がひらかれたきっかけとして語っているのはどんなことでしょうか。
A. 小学校の理科の授業
B. お父さんとの会話
C. ノーベル賞受賞者の伝記
A4 正解は 「B. お父さんとの会話」 です。
電気技師になる夢がかなわなかったお父さんは、銭湯への道すがら、勉強した電気の知識を益川敏英さんに話して聞かせたそうです。益川さんが日本語で行った記念講演でそのエピソードを語っています。講演の内容は、ノーベル財団のホームページで見られますので、興味のあるかたはご覧ください。