2008年度算数入試トレンド

■単位分数分解

問題としては古くから知られているものですが、近年よく見かけるようになりました。2008年度では、慶應義塾普通部、海城中、2007年度では麻布中、2006年度では筑波大学附属駒場中で出題されています。

問題2
分子が1である分数が2つあり、和が8/15です。このような分数の組を2組求めなさい。
(2008年 慶應義塾普通部)
問題2の考え方と答え
解答
1/2と1/30、1/3と1/5
解法例
8/15から、分子が1である分数をひいていけばよいです。 8/15!)1/2=16/30!)15/30=1/30より 8/15=1/2+1/30 8/15!)1/3=8/15!)5/15=3/15=1/5より 8/15=1/3+1/5

■西暦ネタ

周期算などで例年よく出ている数字ですが、今年は、2008=2×2×2×251で、251が素数だったため、ちょっと難(むずか)しかったようです。事前に調べておいたほうがよいでしょう。
ちなみに来年・再来年は、2009=7×7×41,2010=2×3×5×67,…といった感じで、来年などは特に出題されやすそうです。

問題3
次の2008個の分数のうち、約分できるものはいくつありますか。
1/2008,2/2008,3/2008,…,2007/2008,2008/2008
(2008年 海城中)
問題3の考え方と答え
解答
1008(個)
解法例
2008=2×2×2×251(いずれも素数)なので、分子が偶数のものと、分子が251の倍数のものを調べればよい。分子が偶数のものは、2008÷2=1004(個) 約分でき、その後、分子が251の倍数のもののうち奇数倍のものを探すと、251×1,251×3,251×5,251×7の4個が約分できます。
1004+4=1008(個)

プロフィール



中学受験と私塾、中高一貫の中等教育と私学を対象とする調査・コンサルティング機関。私塾に『中学受験研究』、私学に『私学中等教育』を月刊で発行している。「わが子が伸びる親の『技(スキル)』研究会」を主催している。

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