【回答:森上教育研究所】受験対策<その6>
「中学受験は親子の受験」とも言われ、保護者のかたの役割はとても大きいもの。受験準備が進むにつれて、心配事や気がかりもいろいろ出てくるでしょう。よくある相談事例について、専門家の先生がたや、合格家庭の先輩保護者のアドバイスを集めました。
難関校をねらうには、塾は必須なのでしょうか?
家庭学習だけで、難関校を目指すのは無理でしょうか?
難関校をねらうには、塾は必須なのでしょうか?
Q | 現在3年生です。夜遅くまで通わなくてはならない塾に少し疑問を感じています。私立中学受験で上位校をねらうには塾が必須なのでしょうか? |
A | 私立中学受験で上位校をねらうために塾が必須であることはありません。もちろん家庭教師、個別指導、家庭学習でも良いわけで、どのような教育の形態でも優れた教材があり、優れた指導者がいれば、あとは子どもが学習を継続するだけのヤル気を持ち続けさせることができれば上位校をねらうことは可能です。 しかし、全問の回答でも書いたように、私立中学の上位校に合格した子どもの話として「クラスで塾に通わなかったのは自分だけだった」ということから、塾に通わずに上位校に合格している子どもは、まだ少ないという現実も考慮すべきです。 家庭教師や家庭学習ならば、自宅で学習するので問題はありませんし、個別指導であれば、少なくとも夜遅くならない時間帯を選んで学習させることもできます。また、期間を限定して塾に通わせるということも考えられます。例えば、5〜6年生の2年間、または6年生の1年間に限定し、それまでに必要な学習を家庭学習で行うことを検討してはいかがでしょうか? お子さんは、小学3年生なので、塾に通わせるには、ちょっと早いかと思います。小学3年生の間は、家庭学習で学習に興味をもたせることや基礎学力をつけることを重視すべきでしょう。小学5〜6年生になれば、体力もついてきます。子どもが自分から塾に行きたいと言ってくれば、夜遅くまで塾に通わせることに、それほど違和感はないかもしれません。 |
家庭学習だけで、難関校を目指すのは無理でしょうか?
Q | 我が家では、小学5年生の子どもが家庭学習のみで難関校を目指しています。今のところ四谷大塚の予習シリーズも自力で解いており、理解できない問題はほとんどなく経過しています。主に母の私が算数をみていますが指導できないと感じる事もありません。今後はハイレベル問題に移行する予定です。 6年になれば志望校別の塾も考えてはいますが、難関校合格者に、中学受験指導経験のない両親の下での家庭学習だけのかたは皆無なのでしょうか。教えてください。 |
A | 前問で「難関校の受験は家庭学習のみでは難しい」と答えました。それは、指導できる両親がなかなかいないからですが、今回のご質問者のように中学受験指導経験がなくとも実際に指導できている場合は問題はありません。また、「四谷大塚の予習シリーズも自力で解いている」ということから、お子さんには基礎学力と理解力が十分にあると思います。そのような場合は、指導は比較的楽です。しかし、問題が自力で解けない場合が多く、問題の解説を見ても理解できない子どもを指導するにはスキルが必要になるというわけです。 「子どもが四谷大塚の予習シリーズも自力で解いており、お母さんがちゃんと指導ができている」という現状を考えると、今はこのまま学習を進めていっても問題はないと思います。模擬試験を受けていますか? 模擬試験を受けて、難関校に合格できるだけの成績がとれれば、この学習法で十分受験対策になっていることがわかります。また、できなかった模擬試験の問題を解説し、お子さんが理解できれば、お母さんの指導も問題はありません。定期的に模擬試験を受けて、家庭学習に限界を感じた時点で、塾を考えてみてはいかがでしょうか? |