保護者が働いている家庭の小4の夏休み、学童ナシでどう乗り切る?

学童保育がない4年生以降、子どもに夏休みをどう過ごさせるかが悩みの種となる保護者が働いているご家庭は少なくありません。毎日、ひとりだけで留守番させるのは、まだまだ心もとない年齢です。どのような過ごし方が考えられるか、女性のキャリア開発などに詳しい松蔭大学経営文化学部准教授の田中聖華先生にお聞きしました。

小4の夏休み、子どもが安全に楽しく過ごすために

保護者が働いている家庭にとって、小4以降の夏休みの過ごし方は悩ましい問題です。例えば、次のような過ごし方が考えられるでしょう。

◆保護者が夏休みをずらして取得する

最近は希望する時期に夏休みを取れる会社が増えています。もし保護者がそれぞれ1週間、時期をずらして夏休みを取るとしたら、それだけで2週間はクリアできることになります。ふだんはなかなか子どもと長時間接することができないお父さんにとっては、父子の関係を深める貴重な時間になるでしょう。父子旅行をしてみるのもよいかもしれません。

◆祖父母に預ける

祖父母に預かってもらえる場合は、子どもだけで行くのもよいかもしれません。遠距離の場合でも、4年生くらいなら、お子さまにもよりますが、ひとりで電車や飛行機を使って向かうことも可能になります。飛行機なら、子どものひとり旅をサポートしてくれるプログラムも用意されています。ひとり旅は子どもの自立心を育むよい機会にもなるでしょう。

◆サマーキャンプなどの宿泊イベントに参加する

私の子どもも毎年参加していましたが、小学生を対象としたサマーキャンプなどの宿泊イベントもおすすめです。自然体験やスポーツ、イングリッシュキャンプなどさまざまな目的のものがありますので、お子さまの興味に合わせて探してみてください。家族と離れて、各地から集まる同年代の子どもたちと過ごすことで、新しい出会いがあったり、自立心が養われたり、成長のきっかけになるに違いありません。

◆同じ状況のママ友と預け合う

仲のよいママ友が働いている場合、お互いの休みの日に預け合うことも考えてみてください。

子どもにひとりで留守番させる場合の注意点は?

上記の方法を組み合わせることで、かなりの日数がクリアできるのではないでしょうか。残りの日は、ひとりで留守番してもらうことも検討しましょう。4年生くらいになると、朝から夕方までひとりで留守番できないことはありませんが、保護者として心配は大きいはずです。子どもに留守番をしてもらうときは、次のような点に気をつけるとよいと思います。

◎徐々に時間を長くする

あらかじめ数時間の留守番をする練習をしておき、徐々に時間を長くして慣れさせていきましょう。

◎なるべく毎日させない

毎日だと寂しさやつまらなさを感じやすくなるので、どうしても他の方法が難しい日だけ留守番をお願いするようにしましょう。

◎近所に知らせておく

子どもひとりの留守番で最も心配なのが災害時です。隣近所のかたに挨拶をして、子どもがひとりでいることを伝えておくと、いざというときの頼りになります。

◎火は使わせない

ある程度料理ができる子どもでも、ひとりで家にいるときは火を使わせないようにしましょう。昼食は、電子レンジで温めて食べられる状態にしておくとよいと思います。

◎こまめに水分補給をする

夏場は熱中症も心配です。こまめに水分補給をするように伝えましょう。きちんと水分補給したかが確認できるように、水筒に飲み物を用意しておくのもおすすめです。

◎あまりルールを作り過ぎない

これは各家庭の方針によるのですが、私の家では子どもに留守番をお願いするときは、最低限の安全を守るルール以外は、かなり自由に過ごさせていました。
例えば、ふだんは制限していたテレビやゲームを自由にしたり、好きなだけお菓子を食べてよいことにしたり……。おかげで子どもは「留守番は楽しい」と思ってくれたようです。

◎外出時に鍵は持ち出させない

習い事に出かけなければならないときなどの鍵の置き場所を親子で決めておきます。
例えば、わが家ではホームセンターなどで暗証番号式のキーボックスを購入し、他人にわからない場所に取り付けて、そこで鍵を管理していました。防犯のため、また子どもが外で落として帰ってきたときに家に入れないという事態を防ぐため、鍵は持ち歩かせないようにした方がよいと判断したからです。

プロフィール


田中聖華

松蔭大学経営文化学部准教授。女性のキャリア開発やキャリア継続を応援するセミナー等の活動を実施。共著書に『だれも教えてくれなかったほんとうは楽しい仕事&子育て両立ガイド』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。

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