武蔵中学2年生 糸藤太郎さんのお母さま

今回は、ご長男が武蔵中学校に通われているお母さまにお話を伺いました。ご両親共にお仕事をされていることもあり、「受験はあくまでも本人次第」という考えのもと、サポート役に徹して、お子さんは見事第一志望の難関中学に合格されました。(2009年8月20日)


profile
武蔵中学2年生
糸藤太郎さん

東京都在住。
太郎さんは、2008年4月に武蔵中学校に入学、現在中学2年生。小さい頃から読書が大好きで、何事にも積極的に取り組むタイプ。ご両親は当初公立中高一貫校進学を考えていましたが、本人が武蔵中学校を強く志望し、見事合格されました。現在は、硬式テニス部に所属し、充実した学校生活を送っています。

中高時代を充実させるために、中高一貫校という選択を考えた。しかし、早くからの塾通いはさせたくなく、5年生から入塾。母親もフルタイムで仕事をしているので、親がペースメイクしなくてもよい塾を選んだ。

まず、なぜ中学受験をしようと思われたのですか?

私たち夫婦は、共に公立出身ですので、子どもを中学から私立に入れるという考えは、当初はありませんでした。しかし、公立中学校の教師をしている友人から「公立に行くと、中学2年から受験勉強を始めなくてはならず、高校に入ったらまた同じように2年生になると大学受験の準備で、部活などを思いっきりやれる時期が短くなってしまう」という話を聞いていて、それもそうだなと思いました。中高時代は好きなことを見つけて、友人と楽しく過ごしてほしいので、中高一貫教育もいいかなと思うようになりました。

ちょうどその頃、都内にも公立中高一貫校ができ始めていて、公立なら学費も安いし、内容も良さそうなので、公立中高一貫校という選択もありかなと考えました。しかし、子どもの実力がわからない。それでとりあえず、日能研のオープンテストを受けさせてみたのです。
それが小学3年生の秋です。そうしたら、意外と結果が良くてびっくりしました。しかも、問題を見ると文章題が中心で、小学校のテストの問題とは全く違うので、二重に驚きました。本人も「テストがおもしろかった」と言うので、「この子は中学受験向きかな」と思いましたね。


それでは、その後塾に入ったのですか?

わが家は共働きなので、子どもは小さい頃から保育園・学童クラブにお世話になってきました。ちょうど4年生から学童がなくなるので、学童代わりにいいかなと考えなくもなかったのですが…。4年生から塾に通わせるという決断はできませんでした。というのも、「中学受験は、親もがんばらないといけない」と聞いていて、私のようにフルタイムで仕事をしていては、それはとてもできないと思ったからです。それに、4年生から塾に通わせるのもかわいそうだし、本人も放課後は友達と遊びたいと言っていましたので。
何もしないのもどうかと思い、公文の体験学習に行かせたことがあったのですが、これは本人が、自分には合わないと言うのでやめて、結局何もせず、放課後はずっと友達と遊んでいました。
でも、夏休みはさすがに長いので、「両親の家に行かせてもまだ時間が余る。どうしようか」ということになり、夏期講習にだけ行ってみることにしました。子どもは楽しく通っていたようです。


そのまま入塾されたのですか?

いいえ。実は夏期講習の結果も良かったので、塾からは中学受験をすすめられたのですが、その頃はまだ、こんなに早くから塾に入れるのはかわいそうだと思っていたので、入れませんでした。
そうこうしているうちに、4年生の2月になり、公立中高一貫校を受けるにしても、いよいよ準備を始めないといけないと思い、本人に聞いてみたら「行きたい」と言うので、新5年生のカリキュラムが始まるときに、塾に入れることにしました。
それでも、まだ私は、週4回も塾に通うのは大変だからと、国語と算数の2教科だけにさせました。しかし、この選択があとで子どもを困らせることになるのです。


それはどうしてですか?

社会と理科は、積み重ねが必要ですよね。他のお友達は皆4教科とっていたけれど、息子は塾でやっていなかったため当然穴がある。あとから、その部分を取り返すのにも時間がかかりました。
結果的に理社が足を引っ張ってオープンテストの結果も悪く、子どもからは「お母さんが2教科でいいって言うからだ」と怒られたのです。
それで5年生の2学期から4教科に変えて、ここから本格的な受験勉強が始まりました。


家庭学習は、どのようにされましたか?

本人が自分でやっていました。私はいっさい勉強を見たことはありません。
最初のうち、「算数がわからない」というので、父親が勉強を見ていたこともあるのですが、父親には、なんでわからないのかがわからないので、教えているうちにけんかになってしまうのです。それで、「けんかするくらいなら、わからないところは塾で聞いてきなさい」と、親はノータッチにしました。
手前みそですが、息子は、親から見てもよくやっていたと思います。特に塾をよく利用していました。夏休み中は、授業が午後からでも、朝から塾に行って、自習室で勉強していたようです。
そんな様子を見て、受験をするのはあくまでも本人だけれど、やる気があるのなら、親としてはお金を出すことと、お弁当くらいは作ってあげようと思いました。

そもそも塾を選ぶときに、SAPIXか日能研かで迷ったのです。SAPIXは、お弁当は必要ないが、家庭学習を親がペースメイクしなくてはならない。反対に日能研はお弁当を作らなくてはならないし、拘束時間も長いけれど、家庭学習はそれほど必要ないと聞いて、日能研を選んだのです。塾選びの際には、このようなことも含めて、家庭の事情に合った塾を選んだほうがいいと思います。


その後は、順調にいったのでしょうか?

基本的には、本人が希望したことでしたし、いやならいつでもやめればいいと思っていたので、大してトラブルになるようなことはありませんでした。
もちろん、毎週のテストでは、良いときもあれば悪いときもある。成績が悪かったときに、本人はけっこう気にして落ち込むので、親まで深刻になってもしょうがないから、「点数がとれなかったのなら、どこがいけなかったのかよく見直して、次はどうすればいいか考えればいいんじゃない」とアドバイスしたりはしていました。

2教科のときは上から2番目のクラスにいたのですが、5年生の2学期に4教科に変えて、最初は理社が足を引っ張ったものの、徐々に偏差値も上がっていきました。偏差値で63~65はとれるようになっても、なかなか最上位クラスに上げてもらえず、本人も気にしていたので、室長先生に伺ったことがありました。すると、「確実に自信がついて、定着できるようになってから上がったほうがいいので、待ちましょう」というお返事で、私も息子も納得したということはありました。その後、5年生の1月からは、ずっと最上位クラスに在籍していました。


受験勉強中の息抜きはどんなことをしていましたか?

息子は、本を読むのが好きなので、時間があると読んでいましたね。特にファンタジーが大好きで『ハリー・ポッター』シリーズや『モモ』などの長編も読んでいました。一方で体を動かすことも得意で、4年生まで毎週土曜日はボーイスカウトに参加し、平日は水泳とテニスを続けていました。


プロフィール



教育ジャーナリスト、「登録スタッフ制企画編集会社<ワイワイネット>」代表。塾取材や学校長インタビュー経験が豊富。近著に『子どもがバケる学校を探せ! 中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)。

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