算数「平面図形と比(1)」[中学受験]

受験算数でも頻出の「平面図形と比」を取り上げます。図形問題は、図形や数値など、問題から得られる「見えている情報」から、いかに「見えていない情報」を引き出すかがカギ。それには、図形に補助線をひいたり、わかっている数値を書き込んだりして情報を整理するという作業に慣れることが大切です。図形に隠されたヒントをつなぎ合わせるプロセスが、パズルを解くように楽しく感じられたらしめたもの。
中学受験カウンセラーのミスター・ツカム氏が、実際の入試問題の解き方・考え方をていねいに解説していきますから、いっしょに取り組んでいきましょう。


■算数「平面図形と比(1)」

こんにちは。ミスター・ツカムです。「平面図形と比」を取り上げますよ。この単元も受験算数では重要単元。
どの学校も出題頻度(ひんど)が高いですから、しっかりと理解を深めてください。


入試問題を考えていく前に、「底辺比と面積比」の基礎知識(きそちしき)を確認(かくにん)していきましょう。

まずは基本形から。
 《キホン-1》

図左の大きな三角形で、面積 S、T の比は?

S : T = a : b になりますよね。

高さが同じだから、底辺比=面積比 になります。
簡単(かんたん)ですよね?

図

では、次のパターン。
 《キホン-2》

図いずれも、 S : T = a : b になります。

だいじょうぶですね?

その他、「底辺比=面積比」の応用でこんなのもありますね。
 《キホン-3》
図


以上を確認したうえで、入試問題を考えていきましょう。







問題1
三角形ABCの辺ABを2等分、辺BCを3等分、辺CAを4等分し、点D、E、Fを決めます。このとき、内部にできる三角形をPQRとします。また、CR : RP : PD=2 : 2 : 1、BQ : QR : RF=2 : 2 : 1とします。

図

  (1)三角形ABCの面積は三角形ABEの面積の何倍ですか。
  (2)三角形ABCの面積は三角形PQRの面積の何倍ですか。
(東海大学付属浦安高等学校中等部 2007年・B試験)
<問題1 (1)の考え方と答え>
これは基本中の基本ですね。

底辺比 BE : BC = 1 : 3 だから、

  三角形ABE と 三角形ABC の面積比も 1 : 3 になります。
(答え) 3倍
<問題1 (2)の考え方と答え>
いろいろな三角形の面積を比較しながら、最終的な面積の比較にもっていきます。

三角形PQR の辺の延長線上で、比がわかっている
BQ : QR : RF = 2 : 2 : 1 に注目します。

図

次に、CR : RP : PD = 2 : 2 : 1 に注目して、

図

図
(答え) 10倍

底辺比を着実に確認していけば、面積比は必ず求められますから、自分で図に比を書きこんで、早く慣れるようにしましょうね。

プロフィール



大人気メールマガジン「コロンブス的・超発想で中学受験を成功させる方法」の発行人で、中学受験カウンセラー。メルマガは殿堂入りを果たす。理科・替え歌暗記法のCD『愛のメモリーTM』も作成。

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