【回答:若泉 敏】公立中高一貫校の学校生活・その他
「中学受検は親子の受検」とも言われ、保護者のかたの役割はとても大きいもの。受検準備が進むにつれて、心配事や気がかりもいろいろ出てくるでしょう。よくある相談事例について、専門家の先生がたや、合格家庭の先輩保護者のアドバイスを集めました。
公立中高一貫校に給食は?
公立中高一貫校の受検を考えているのですが…
公立中高一貫校に給食は?
Q | 中学受験を予定していますが、公立中高一貫校という選択肢があることを初めて知りました。東京都内には何校かの公立中高一貫校があるようですが、基本的なことがわかりません。学区などあるのでしょうか? また、複数の学校を受けられるのでしょうか? あと、給食などのしくみはどうなっているのか教えてください。 |
A | 東京都内の公立中高一貫校は、大きく分けて2つの種類があり、現在は7校が開校。今後4校が開校予定 公立中高一貫校は中等教育学校・併設型・連携型の3種類ありますが、適性検査のある中等教育学校・併設型について説明します。小石川、桜修館、立川国際の都立3校と千代田区立九段が中等教育学校です。併設型は2005年度、都で初めて開校した白鴎高等学校附属中学校のほか両国、武蔵があります。 現在都立6校と区立1校の計7校が設置されています。さらにお子さんが6年生になる2010年度には、都立富士、都立大泉、都立南多摩、都立三鷹を設置母体校とした中高一貫校が開校します。その他に国立大学附属の中等教育学校(中高一貫校)が2校あります。東京大学教育学部附属と東京学芸大学附属国際(旧大泉)です。 公立中高一貫校(都立と区立)は、学区はなく都内全域から応募することができます。一般枠の検査日が2月3日となっており、同時に2つの学校に出願することはできません。したがって11校の中から1校のみ選択して受検することになります。 (編集室より) ★給食については各校に取材したところ以下のようなご回答をいただきました。 白鴎高等学校附属中学校‥‥‥‥‥‥ランチボックス(一斉) 白鴎高等学校‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥附属中学校とは違う業者のランチボックス(希望制) 小石川中等教育学校(前期課程)‥‥ランチボックス(希望制) 小石川中等教育学校(後期課程)‥‥弁当 桜修館中等教育学校(前期課程)‥‥ランチボックス(希望制) 桜修館中等教育学校(後期課程)‥‥弁当 九段中等教育学校(前期課程)‥‥‥給食 九段中等教育学校(後期課程)‥‥‥ランチボックス(希望制) 両国高等学校附属中学校‥‥‥‥‥‥給食 両国高等学校‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥弁当 立川国際中等教育学校(前期課程)‥ランチボックス(希望制) 立川国際中等教育学校(後期課程)‥弁当 武蔵高等学校附属中学校‥‥‥‥‥‥ランチボックス(一斉) 武蔵高等学校‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥弁当 ※2009年1月現在の情報に基づいた回答です。 |
公立中高一貫校の受検を考えているのですが…
Q | 私立中学は経済的に難しいので、最近増えている公立中高一貫校受検を考えているのですが、私立受験とどう違うのでしょうか? まだ情報が少なく、よくわからないので不安です。 |
A | 適性検査は、努力のあとではなく、質を探る検査。物事を比較考察して自分なりの考えをもつように導いて 私立中学入学試験問題は、各教科の知識・理解・技能が努力と慣れによってどこまで身についているかを試験します。 それに対して公立中高一貫校の適性検査は、「努力」のあとをはかるものではなく、生徒の「質」を探ろうとします。記憶された知識の量やトレーニングによって獲得された「学力」よりも、出題された長文の問題文や資料など(これらは子どもが初めてふれるものであることが多い)から、その場で課題や条件に応じた分析・考察・判断をして、自分の考えを、論理的にわかりやすく表現する力を見ようとします。 各教科を横断した総合的な知識と、資料に基づく思考・判断・表現力が問われています。 また、公立中高一貫校の問題は、各都道府県、学校によって、出題傾向や内容、形式が違います。一貫校の求めている生徒像、育てたい指導目標、そういうものに適合した出題がされるわけです。場合によってはその地域に特別に存在しているような事柄の知識も必要です。 さらに、もうひとつの大きな相違点は、親のかかわり方にあります。私立中学受験の場合には、保護者がある程度の学習管理をし、叱咤激励して子どもを勉強に駆り立てる、というところがありますし、たいていの場合は塾通いが必要でしょう。 しかし公立中高一貫校に関しては、塾にお任せで結果が出せるというものではないようです。日常生活の中で健全で良好な親子のかかわりを構築してコミュニケーション力を高め、物事を比較考察して自分なりの考えをもつようにお子さんを導かなければなりません。適性検査問題を十分に検討して、お子さんの個性に応じたかたちで、対策を立てていくということが必要でしょう。 |