我が子をやる気にさせる方法 その1[中学受験]
親が子どもをやる気にさせるには、どのような方法があるか? 一般的には、「ほめる」「叱(しか)る」「励ます」が有効な手段とされるが、うまく機能していない場合も多い。
「ほめる」には、ほめるに値する要因がなければならない。ほめるに値しないことでほめられても、子どもは「おだてられた」ことを察知し、反発することはあっても、やる気にはならないのである。
「ほめる」ことの難しさは、ほめるべきことかどうかの判断とタイミング・頻度だろう。模擬試験で偏差値が上がれば、明確にほめる要素となるが、そのようなことはなかなか起こらない。
しかしそれでも、1週間に1~2回はほめてあげたい。やる気を継続的に起こさせるためには、日常の小さな成功を見つけほめる努力をしなければならない。がんばって成果が出たことやこれまでよりも改善されたことは、積極的にほめてあげるべきだ。
ほめられてどのように感じるかは、個人差がある。ほめられればほめられるほどやる気になる子は、どんどんほめてあげればよい。おだてに敏感な子どもには、良い結果が出た時だけほめてあげれば納得し、やる気になる。ほんの一部でも改善されたところがあれば、それだけでもよいのでテストの結果でほめると説得力がある。
誰でもそうだが、ほめられるとうれしい。「ほめる」ことで起こるやる気は、もっとほめてもらうためにがんばろうという気持ちなのだ。
「叱る」のには目的がある。目的もなく叱るのは、単に「かんしゃく」を起こしているだけだ。子どもに「かんしゃく」を起こしても、子どもがやる気になるはずはない。叱る目的を追求していくと「問題点を気付かせる」ことにたどり着く。叱らなくとも、問題点に気付いてくれる子どもであれば、注意するだけで済む。
また、叱ったとしても子どもに問題点を気付かせるだけでは不十分だ。子どもが問題を解決できなければ、叱る意味がない。子どもに解決できる方法を指導してあげなくてはならないが、自分が指導できない専門知識を必要とする場合もある。そのような時は専門家に指導を頼めばよい。「叱る」ことをしなければ、子どもは問題点に気が付かず、指導を受けようという気持ちにもならないので、当然、やる気にはならない。
「叱る」の次にくる指導で解決方法を理解し、「励ます」ことでやる気にさせる。つまり、子どもに元気がない時には、励ましてあげるだけでも良いが、指導を受けなければ子どもは失敗を乗り越える方法がわからないので、「励ます」だけではなかなかやる気にはならない。「励ます」ことで起こるやる気は、失敗や問題解決にチャレンジする気持ちなのだ。
「叱る」「励ます」「ほめる」とやる気の関係を流れ図にすると以下のようになる。「ほめる」ことと「励ます」ことで起こるやる気は、どちらも勉強に対するやる気なので混同しやすいが、上述したようにやる気の内容が異なる。
失敗
↓
叱る
↓
指導
↓
励ます
↓
やる気(1)
↓
勉強
↓
成功
↓
ほめる
↓
やる気(2)
↓
勉強