2008年度国語入試トレンド

■四字熟語・三字熟語・二字熟語

四字熟語で最も出題例が多いものは漢数字を入れる問題です。 二字熟語の順番を入れ替え、別の意味の熟語をつくる問題も難関校で出題されることが多くなってきました。


問題1
つぎの四字熟語の(  ) にはそれぞれ漢数字が入ります。 (  ) の漢数字が小さい順になるようにア~エの記号を並べかえなさい。

ア (  ) 戦錬磨
イ (  ) 日千秋
ウ 森羅 (  ) 象
エ 二束 (  ) 文
(女子聖学院中)
問題1の答え
イ→エ→ア→ウ

ア (百)戦錬磨
イ (一)日千秋
ウ 森羅(万)象
エ 二束(三)文


問題2
次の説明にあたる三字熟語をそれぞれ答えなさい。ただし、必ず漢数字を一字ふくんでいます。
(例) よそ見せず、けんめいに走る様子。 → 「一目散」

ア 年が若くて経験のとぼしい人。
イ 話が達者であること。
ウ 演劇や相撲(すもう)などの興行の最終日。
エ 前と食いちがうことやうそを平気で言うこと。
オ 値段の安い印章。
(灘中)
問題2の答え
ア 年が若くて経験のとぼしい人。→青二才
イ 話が達者であること。→口八丁
ウ 演劇や相撲(すもう)などの興行の最終日。→千秋楽
エ 前と食いちがうことやうそを平気で言うこと。→二枚舌
オ 値段の安い印章。→三文判


問題3
左側の (    )にあてはまる二字熟語の漢字の順番を変えると、右側の(    )にあてはまります。
左側の熟語を答えなさい。
(例)  (    )が散る     打ち上げ(    )      (答え) 火花

ア キビキビした(    )機械が(    )する
イ 入場(    )出発(    )
ウ 相談(    )(    )占(うらな)い
エ 台風が(    )する(    )競技
オ ドラマに(    )するドラマを(    )する
(慶應義塾湘南藤沢中等部)
問題3の答え
ア キビキビした<動作>機械が<作動>する
イ 入場<行進>出発<進行>
ウ 相談<相手><手相>占(うらな)い
エ 台風が<上陸>する<陸上>競技
オ ドラマに<出演>するドラマを<演出>する

■慣用句・ことわざ

「慣用句」・「ことわざ」を問う問題には「身体の一部を表す言葉」・「漢数字」・「動物の名」を入れるものが多く出題されています。


問題1
(     )に漢字一字を入れ慣用句を完成させなさい。

ア 猫(ねこ)の(     )。 (非常にせまいことのたとえ)
イ 弘法(こうぼう)にも(     )の誤り。 (名人でも時には失敗することのたとえ)
ウ 地獄(じごく)で(     )に会ったよう。 (思いがけない助けにあって喜ぶさまのたとえ)
(浅野中)
問題1の答え
ア 猫(ねこ)の<額>。 (非常にせまいことのたとえ)
イ 弘法(こうぼう)にも<筆>の誤り。 (名人でも時には失敗することのたとえ)
ウ 地獄(じごく)で<仏>に会ったよう。 (思いがけない助けにあって喜ぶさまのたとえ)


問題2
次のア~オの(  )に身体の一部を表す言葉を入れて、文を完成させたとき、一つだけ違う言葉が入るものがあります。その文にあてはまる身体の一部を表す言葉を漢字1字で答えなさい。

ア 値段の高さに(  )を丸くする。
イ 仕事以外のことには(  )もくれない。
ウ 高慢ちきの(  )を折ってやった。
エ 社長に(  )をかけられる。
オ これをお選びになるとは(  )が高い。
(城北中)
問題2の答え


ア・イ・エ・オには「目」が入ります。

ア 値段の高さに(目)を丸くする。
イ 仕事以外のことには(目)もくれない。
ウ 高慢ちきの(鼻)を折ってやった。
エ 社長に(目)をかけられる。
オ これをお選びになるとは(目)が高い。


問題3
次の(   ) には漢数字が入ります。ア~エのそれぞれ四つの(    ) のうち、それぞれ一番大きな数が入るものを一つ選び、その漢数字を書きなさい。

(   )の足を踏(ふ)む早起きは(   )文の得
 (   )つ子の魂(たましい)百まで 七転び(   )起き
 一寸(いっすん)の虫にも(   )分の魂 (   )聞は一見にしかず
 石の上にも(   )年 一を聞いて(   )を知る
 
なくて(   )癖(くせ)桃栗(ももくり)(   )年柿(かき)八年
 仏の顔も(   )度 (   )度目の正直
 人を呪(のろ)わば穴(   )つ (   )死に一生を得る
 (   )階から目薬 (   )人寄れば文殊(もんじゅ)の知恵(ちえ)
(共立女子中)
問題3の答え
ア 五  イ 百  ウ 七  エ 九

<二>の足を踏む早起きは<三>文の得
 <三>つ子の魂百まで 七転び<八>起き
 一寸の虫にも<五>分の魂 <百>聞は一見にしかず
 石の上にも<三>年 一を聞いて<十>を知る
 
なくて<七>癖桃栗<三>年柿八年
 仏の顔も<三>度 <三>度目の正直
 人を呪わば穴<二>つ <九>死に一生を得る
 <二>階から目薬 <三>人寄れば文殊の知恵


問題4
(   )に入る適当な動物を選び、記号で答えなさい。(同じものは使ってはならない)

1 (  )の子 (大切にして手離(てばな)さないもの)
2 腐(くさ)っても(  )  (本来すぐれた価値を持つものは、おちぶれても値打ちがあること)
3 (  )をかぶる (本性(ほんしょう)をかくし、おとなしそうに見せかける)
4 井(い)の中の(  ) 大海を知らず (考えや知識が狭(せま)くて、もっと広い世界があることをしらない)
5 (  )の遠吠(ぼ)え (臆病(おくびょう)な者が陰(かげ)で威張(いば)る、または他人を攻撃(こうげき)することのたとえ)

ア 鯛(たい)イ 虎(とら)ウ 狐(きつね)エ 鯉(こい)オ 猫(ねこ)
カ 蛙(かわず)キ 犬ク 熊(くま)ケ 猿(さる)コ 鳥
(光塩女子学院中等科)
問題4の答え
1 イ  2 ア  3 オ  4 カ  5 キ

1 <虎(とら)> の子 (大切にして手離(てばな)さないもの)
2 腐(くさ)っても<鯛(たい)> (本来すぐれた価値を持つものは、おちぶれても値打ちがあること)
3 <猫(ねこ)>をかぶる (本性(ほんしょう)をかくし、おとなしそうに見せかける)
4 井(い)の中の<蛙(かわず)>大海を知らず(考えや知識が狭(せま)くて、もっと広い世界があることをしらない)
5 <犬>の遠(ぼ)吠え (臆病(おくびょう)な者が陰(かげ)で威張(いば)る、または他人を攻撃(こうげき)することのたとえ)

プロフィール



中学受験と私塾、中高一貫の中等教育と私学を対象とする調査・コンサルティング機関。私塾に『中学受験研究』、私学に『私学中等教育』を月刊で発行している。「わが子が伸びる親の『技(スキル)』研究会」を主催している。

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