2008年度国語入試トレンド

2008年度に出題された問題の中で特に注目される問題、新傾向問題、これまでに出題された問題の発展型、定番化しつつあると考えられる問題について取り上げました。2009年度入試に役立てていただけると幸いです。


*問題文は編集の都合上抜粋し、一部表記を改めているものがありますが、内容に変更はありません。

■語句・言葉の意味

近年の日本語ブームの影響でしょうか、2008年度の入試で出題例が最も多く、注目されました。今後も多くの学校で出題されると思われます。語句や言葉の意味をあいまいにせず、しっかり辞書を引く習慣をつけたいものです。


問題1
a「おもむろに」・b「寛容だ」の意味としてそれぞれ適切なものを選びなさい。

a「おもむろに」
ア わざと  イ えらそうに  ウ あわてて  エ ゆっくりと  オ なにごともないように

b「寛容だ」
ア 神経質になる  イ 手厳しい  ウ 心が広い  エ 無関心である  オ 興味を示す
(慶應義塾普通部)
問題1の答え
エ ゆっくりと
ウ 心が広い


問題2
a「本末転倒(ほんまつてんとう)」・b「換骨奪胎(かんこつだったい)」の意味として適当なものを次から選びなさい。

ア 目的を果たすために、あらゆる苦難にたえ自分に試練を課すこと。
イ 物事の扱いで、大切なこととつまらないこととが反対になること。
ウ 自分の考えがなく、他人の意見や行動に軽々しく同調すること。
エ 物事の中心からはずれた、たいして重要でない細かな部分のこと。
オ すでにあるものに少し手を加えて、新しいものを生み出すこと。
(立教新座中)
問題2の答え
a「本末転倒(ほんまつてんとう)」 → イ
b「換骨奪胎(かんこつだったい)」 → オ


問題3
「たしなめられる」とありますが、「たしなめる」の意味を次から選びなさい。

ア おこる  イ さげすむ  ウ しかる  エ なだめる
(女子学院中)
問題3の答え
ウ しかる
考え方
※「ア おこる」には「ウ しかる」という意味もありますが、「たしなめる」の意味として最も適当な答えは「ウ しかる」になります。


問題4
a「小耳にはさむ」・b「口を切る」の言葉はどのような意味で使われていますか。それぞれ選びなさい。

a「小耳にはさむ」
ア 聞くつもりのなかったことをぐう然に聞く
イ 大切なことを中途半端(ちゅうとはんぱ)に聞く
ウ 興味のあることを聞きのがさないようにする
エ つまらないことでも聞き流さないようにする

b「口を切る」
ア まずあいさつする
イ 自己しょうかいする
ウ 最初に発言する
エ 議題を提示する
(フェリス女学院中)
問題4の答え
ア 聞くつもりのなかったことをぐう然に聞く
ウ 最初に発言する


問題5
「何の屈託もなく」とありますが、この言葉の意味としてもっとも適切なものを選びなさい。

ア 何かにこだわった様子もなく
イ まったく表情を変えずに
ウ 何かにおびえることもなく
エ 本当につまらなさそうに
(浅野中)
問題5の答え
ア 何かにこだわった様子もなく


問題6
「にべもない」の意味として最も適当なものを選びなさい。

ア 無遠慮
イ 無気力
ウ 無自覚
エ 無愛想
オ 無理解
(桐朋中)
問題6の答え
エ 無愛想


問題7
a「ままならない」・b「尾をひいて」とありますが、それぞれの意味を次の中から選びなさい。

a「ままならない」
ア 軽くみることはできない
イ 問題にならない
ウ 思いどおりにならない
エ 予定どおりにはできない

b「尾をひいて」
ア 引き続いてほしくなって
イ 物事の影響(えいきょう)が残って
ウ しみじみと感じられて
エ 関心をひきつけて
(横浜共立学園中)
問題7の答え
ウ 思いどおりにならない
イ 物事の影響(えいきょう)が残って


問題8
a「市民権を得る」・b「まっとうする力」・c「講じてきた」の文中における意味として、最も適切なものを次の中から選んで、記号で答えなさい。(※語句の意味を問う問題の例として取り上げているので、実際の入試問題の文章は省略しています。)

a「市民権を得る」
ア 独立して使われる。
イ 世間に知れわたる。
ウ 社会の中で生き残る。
エ 権利を強く主張する。
オ 人々から問題視される。

b「まっとうする力」
ア 巧(たく)みにまねをしようとする力。
イ 強く打ち負かそうとする力。
ウ 最後まで成しとげようとする力。
エ 素直に順応していこうとする力。
オ まともに受け入れようとする力。

c「講じてきた」
ア 長い間熟成させてきた。
イ 熱心に議論を重ねてきた。
ウ じっと待ち望み続けてきた。
エ 考えをめぐらし行ってきた。
オ 説得できるように試みてきた。
(横浜雙葉中)
問題8の答え
イ 世間に知れわたる。
ウ 最後まで成しとげようとする力。
エ 考えをめぐらし行ってきた。

プロフィール



中学受験と私塾、中高一貫の中等教育と私学を対象とする調査・コンサルティング機関。私塾に『中学受験研究』、私学に『私学中等教育』を月刊で発行している。「わが子が伸びる親の『技(スキル)』研究会」を主催している。

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