得点率を上げるスコアメーキング その1[中学受験]

過去問演習で最も重要なのは、問題を解くことではない。解いたあとが重要だ。過去問演習では正解よりも誤答が重要で、誤答の原因は(1)不得意科目・不得意分野単元で問題の解き方や解答がわからない、(2)解き方や解答がわかっていても答案作成のミスで無駄な失点をしてしまっている、ということがある。
(2)は解き方や解答がわかっているのだから、答案作成のミスを少なくすることで無駄な失点を押さえることができれば、得点率を急上昇させることが可能だ。その対策がスコアメーキングだが、スコアメーキングは一言で言えば、「答案作成テクニック」である。
「スコアメーキング」には「時間配分」「ケアレスミスの改善」「ランダム(分野融合・以下同じ)問題の慣れ」があるが、現状の学力で得点率を上げるテクニックなので、もちろん、学力がなければ「スコアメーキング」を身に付ける意味はない。また、「時間配分」~「ランダム問題の慣れ」で失点しない受験生はめったにいないので、多少の差はあるにせよ、これらの対策で得点力が確実に改善できる。つまり、ボーダーで不合格になる受験生の多くを合格に導くことができるのだ。

「模試を受けると時間不足になるのですが、入試本番が心配です。解消方法を教えてください」というような相談が多いということは、多くの受験生が時間不足で悩んでいるのだろう。特に、マイペースで学習する癖のある受験生は、試験になっても考えるスピードを切り替えられない。模試でいつも時間が足りなくなって、手を付けられない問題がある生徒は要注意だ。本番でも繰り返す可能性が高い。
ここで、具体的な「時間配分」の対策を紹介すると、「時間配分」の対策は、(1)時間感覚(2)解答順序(3)ステ問判断の3点ができているか、過去問を演習しながら自問自答し、時間配分ができるようになるまで過去問演習を行うこと。そして、「時間配分」の失敗で失点しなくなるまで継続することだ。

「時間感覚」は時計を見ながら過去問演習を数多くこなすうちに身に付く。つまり、受験生の体内時計で試験時間の感覚をつかむことができるまで過去問演習を行うことだ。
「解答順序」は知識問題・計算問題から、小問から、得意な分野単元から、解くようにする。簡単で、自分の得意な問題から、いつも決まった順序で回答するとテンポ良く回答できる。
「ステ問判断」は、難問で時間をロスして取れる問題を落としていないか考える。回答順序に沿って、不得意な分野単元の問題や少し考えても解法が思いつかない問題は、飛ばす。特に「ステ問判断」は解けない問題を見極める力よりも、むしろ解けそうな問題を見極める力を養うことが肝心。

「時間配分」の対策は、短時間では身に付かないので、模試で時間が足りなくなる傾向の受験生は、早めに過去問演習で対処方法を身に付けてほしい。入試本番で「時間配分」の失敗があれば、悔やんでも悔やみきれない。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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