目のことを考えると、読書をどんどんすすめてよいものか悩みます[中学受験]
平山入試研究所の小泉浩明さんが、中学受験・志望校合格を目指す親子にアドバイスする実践的なコーナーです。保護者のかたから寄せられた疑問に小泉さんが回答します。
また、算数は、解くことにすぐ飽きてしまうようです。応用問題も解けているので理解はしているようで、「理解しているのなら、やらなくてもよいか……」とも少し思います。ただ、これが宿題の場合やらないわけにはいきません。算数をもっと楽しく家庭で勉強できたら……と思うのですが。受験についてはまだ悩んでいますが、受けるとしたら福岡教育大学付属中学校がいいなと思っています。
質問者
小5女子のお母様質問
かなりの本好きで、今しなければいけないことがほかにあっても寸暇を惜しんで本を読んでいます。本が好きなので文章題や漢字もとても得意です。本が好きなことは勉強をするうえでもとても良いと思うので「どんどん読みなさい」と声を大にして言いたいところなのですが、目もかなり悪くなってきたのでそのことを考えるとどんどんすすめてよいものか悩みます。また、算数は、解くことにすぐ飽きてしまうようです。応用問題も解けているので理解はしているようで、「理解しているのなら、やらなくてもよいか……」とも少し思います。ただ、これが宿題の場合やらないわけにはいきません。算数をもっと楽しく家庭で勉強できたら……と思うのですが。受験についてはまだ悩んでいますが、受けるとしたら福岡教育大学付属中学校がいいなと思っています。
小泉先生のアドバイス
まず考えたいのは、中学受験をどうするかということ
お子さまは、読書好きで文章題や漢字が得意であり、また算数の応用問題でも解けているとのこと。おそらく、あまり言わなくても自分からすすんで勉強するタイプのお子さまなのだと思います。このタイプは、読書習慣が付いているお子さまによく見られます。文章を読みかつ考えることに慣れているため、国語だけではなく他の科目についても理解力があり、テストでもまずまずの点数を取れるようです。「勉強しなさい!」と小言を言わずに済むわけですから、とても親孝行なお子さまであると言えます。ただし、それだからこそ考えてあげるべき点はいくつかあると思います。
まず考えたいのは、中学受験をどうするかということです。「まだ受けることを悩んでいます」とのことですから、今の時点ではまだ決断されていないのでしょう。しかし、もう5年生ですからそろそろお子さまと相談して、受験する・しないを決めなければなりません。
そして受験されるならば、現在の学習到達度と、志望校に合格するために埋めるべき学習内容や学習量を確認することです。もし埋めるべきものがそれほどないと考えるのであれば、今の勉強をコツコツ積み上げていけばよいことになります。
しかし、もっとがんばる必要があるのであれば、たとえば算数をもっと演習するべきだと思います。算数にしても国語にしても、5年生くらいから学習内容は飛躍的に難しくなります。また、特に算数は演習量がテストの成績に比例します。すなわち、今はテストの成績が良くても、最終的にはより問題数をこなした生徒が成績を伸ばすことになりがちです。
国語に関しては「量より質」の学習が必要なため、算数とは少し事情が異なります。しかし、通常の読書はいわゆる受験対策としての学習とは言えません。つまり、読書だけでは志望校の国語で合格点を取ることは、必ずしもできないということです。おそらく、問題を理論的に読み、かつ的確に答えるべく練習をする必要があります。特に志望校の出題傾向をつかみ、それに沿った対策を講じることが非常に有効であると思います。
また、最近の入試に出題される問題文は、かなり難易度が高くなっていますから、本好きの小学生が日常的に読んでいる本のレベルをはるかに超えた内容であると思います。
もちろん、中学受験をしないというのであれば、これらの学習を行う必要はありません。高度で苦労を伴う学習ですから、無目的にやることは意味がないと思います。中学受験をするか・しないかを、まずはお子さまを交えて決めることが今後の学習方針のスタートです。
そしてもし中学受験をされないのであれば、今の時期から多くの本を読むことで、広い教養を身に付けることは大変素晴らしいことであると思います。もちろん、一定時間本を読んだら目を休めるなど、目が悪くならないように十分注意してください。
お子さまは、読書好きで文章題や漢字が得意であり、また算数の応用問題でも解けているとのこと。おそらく、あまり言わなくても自分からすすんで勉強するタイプのお子さまなのだと思います。このタイプは、読書習慣が付いているお子さまによく見られます。文章を読みかつ考えることに慣れているため、国語だけではなく他の科目についても理解力があり、テストでもまずまずの点数を取れるようです。「勉強しなさい!」と小言を言わずに済むわけですから、とても親孝行なお子さまであると言えます。ただし、それだからこそ考えてあげるべき点はいくつかあると思います。
まず考えたいのは、中学受験をどうするかということです。「まだ受けることを悩んでいます」とのことですから、今の時点ではまだ決断されていないのでしょう。しかし、もう5年生ですからそろそろお子さまと相談して、受験する・しないを決めなければなりません。
そして受験されるならば、現在の学習到達度と、志望校に合格するために埋めるべき学習内容や学習量を確認することです。もし埋めるべきものがそれほどないと考えるのであれば、今の勉強をコツコツ積み上げていけばよいことになります。
しかし、もっとがんばる必要があるのであれば、たとえば算数をもっと演習するべきだと思います。算数にしても国語にしても、5年生くらいから学習内容は飛躍的に難しくなります。また、特に算数は演習量がテストの成績に比例します。すなわち、今はテストの成績が良くても、最終的にはより問題数をこなした生徒が成績を伸ばすことになりがちです。
国語に関しては「量より質」の学習が必要なため、算数とは少し事情が異なります。しかし、通常の読書はいわゆる受験対策としての学習とは言えません。つまり、読書だけでは志望校の国語で合格点を取ることは、必ずしもできないということです。おそらく、問題を理論的に読み、かつ的確に答えるべく練習をする必要があります。特に志望校の出題傾向をつかみ、それに沿った対策を講じることが非常に有効であると思います。
また、最近の入試に出題される問題文は、かなり難易度が高くなっていますから、本好きの小学生が日常的に読んでいる本のレベルをはるかに超えた内容であると思います。
もちろん、中学受験をしないというのであれば、これらの学習を行う必要はありません。高度で苦労を伴う学習ですから、無目的にやることは意味がないと思います。中学受験をするか・しないかを、まずはお子さまを交えて決めることが今後の学習方針のスタートです。
そしてもし中学受験をされないのであれば、今の時期から多くの本を読むことで、広い教養を身に付けることは大変素晴らしいことであると思います。もちろん、一定時間本を読んだら目を休めるなど、目が悪くならないように十分注意してください。