理科「てことてんびん」[中学受験]

問題4
問1 図1のような600gの直方体おもりがあります。この直方体おもりを、図2のように軽い板と300gのおもりを使ってつりあわせました。直方体おもりの底面の中心は支点から何cmの位置になりますか。

図1、図2

問2 図3のように、直方体おもりを、板のはしにあわせて立てて、つりあわせました。左はしにつるしたおもりの重さは何gですか。

図3、図4

問3 図1と同じ直方体おもり2つを、図4のようにそれぞれ板の両はしにあわせ、つりあわせました。このときの支点は板の左はしから何cmの位置になりますか。

問4 図5のような重さ1.2kgの本があります。図6のように、本を机のはしから18cmはみ出して置き、直方体おもりを本の左はしにあわせてのせました。直方体おもりを右に動かしていくと、やがて本は机から落ちてしまいます。本を落とさずに、直方体おもりを右へ何cmまで動かすことができますか。

図5、図6

問5 机のはしに同じ2冊の本を重ねて置きました。図7のように、下の本が机のはしから20cmはみ出しても落ちないようにするには、上の本はどこに置けばよいですか。上下の本のずれの範囲(はんい)で答えなさい。ただし、上の本は机にふれてはいけないものとします。

図7
(桐朋中 2005年)
<問題4 問1の考え方と答え>
さて、このような立体のものでも、重さは重心一点にかかっていると考えます。では、この直方体おもりの重心はどこ? 底面積の中心ですね。長方形の対角線を結んで交わったところです。

重心の位置を支点から□cm とすると、

 300 × 20 = 600 × □   が成り立ちますね。

 □ = 10(cm)
(答え) 10cm
<問題4 問2の考え方と答え>
直方体おもりの重心の位置は、支点から 20 − 1 = 19cm になりますね。
おもりの重さを□gとすると、

 □ × 20 = 600 × 19

 □ = 570(g)
(答え) 570g
<問題4 問3の考え方と答え>
両方の重心から重心までの距離(きょり)は、

 40 − 2 − 4 = 34(cm) です。

重さは同じ600g だから、ちょうど中央に支点がくればいいので、

 34 ÷ 2 = 17  左はしから  2+17=19(cm)
(答え) 19cm
<問題4 問4の考え方と答え>
18cmずらしたので本の重心は机(つくえ)からはみ出してしまいました。このままでは本は落ちてしまいますね。整理して図にしてみましょう。

図

直方体おもりを右に動かして、ぎりぎりつりあうところは?
支点から直方体おもりの重心までの距離を□cmとすると、

 600 × □ = 1200 × 3

 □ = 6(cm) 支点から 6cm のところがぎりぎりです。

いま、おもりの重心は支点から 8cm のところにありますから、

 8 − 6 = 2(cm)
(答え) 2cm
<問題4 問5の考え方と答え>
いま、下の本の重心は机から5cm はみ出しています。
それを支えるためには、上の本の重心は支点から左に5cmのところでつりあいます。
これ以上、右に動かせば本は落ちてしまいます。

図

そのときの2冊の本のずれは?

 20 −(5 + 5)= 10(cm)

では、上の本は左にはどこまで動かせるのでしょうか? 下の本の左はしぎりぎりまでですね。
上の本の重心が、下の本の左はしにくるときです。

 本のずれは? → 15cm
(答え) 10cmから15cm

いかがです? おもりのかわりが、本になろうがバットになろうが、どんなものでも「重心」の位置さえしっかりおさえておけばだいじょうぶ。自信がついたでしょ?


プロフィール



大人気メールマガジン「コロンブス的・超発想で中学受験を成功させる方法」の発行人で、中学受験カウンセラー。メルマガは殿堂入りを果たす。理科・替え歌暗記法のCD『愛のメモリーTM』も作成。

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