数学的思考の面白さと得点力アップ その1[中学受験合格言コラム]


数学的思考の面白さと得点力アップ その1[中学受験合格言コラム]

3)次に大切なことは、やった問題を「できた問題」「できなかったが解説を読んだらわかった問題」「解説を読んでもわからなかったので先生に質問して理解した問題」という具合に分類し、それぞれ○、△、×の印を付けます。そして必ず7日~10日後に、もう一度問題を解かせて下さい。解く問題は△と×の問題だけで○は解く必要はありません。すでに1回解いて、覚えていると思われるかもしれませんが、案外解けないものです。そして解き終えたら再度○、△、×の印をつけておきます。つまり演習すべき問題をどんどん△や×から○に変えていくという作業を行うことになります。

4)1つの単元に自信が持てるようになると、算数の解き方が分かってくるので、他の単元も少しずつ出来るようになってきます。そして得意な単元が増えてきたら、今度は志望校の過去問演習に取り組んで下さい。志望校の出題傾向に慣れる事で、さらに得点力が上昇していくと思います。

さて最大の問題は、残された時間です。「他の科目も勉強しなくてはならないのに、この時期からやっていて間に合うのか?」と思われるかもしれません。しかし算数は中学受験の要ですから、どうしてももう少し偏差値をあげたいところです。得意な国語で算数の失点を補うという考え方もありますが、それも限度があると思います。国語がとても出来るお子さまであっても、80%を越えるような得点率を期待することは危険でしょう。やはり算数でもう少し得点がとれるように補強すべきです。

算数の弱点補強を効率的に実施するには、スポット的に家庭教師や個別指導をつける必要があるかもしれません。もちろんご家族の方が、お子さまの算数の質問に答えられればそれに越したことは無いと思います。とにかくわからなければ、すぐにでも質問できる環境を整えることがいちばん効率的だと言えます。その際、塾で習ったような解法で教えることはもちろん必要です。
夏休みが終了した時期であること、そしてお子さまの性格を考え、「とにかく演習して、分からない場合はまるごと覚えてしまおう」というやり方ではなく、一つ一つの問題の解法を納得させ、自信が持てる単元を増やしていく方法をおすすめしました。残された時間を大切に、一点でも多く取るために、一つでも多くの問題を出来るようにするという気持ちで臨んでください。

……このアドバイスの結果、どうなったのでしょうか!? 続きは後日、紹介します。

プロフィール


小泉浩明

桐朋中学・高校、慶応大学卒。米国にてMBA取得後、予備校や塾を開校。現在は平山入試研究所を設立、教材開発など教務研究に専念。著作に「まとめ これだけ!国語(森上教育研究所スキル研究会)」などがある。

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