2011年度入試で何が問われたか<算数>
■雙葉中学校の算数を分析 合否を分けた問題は「平面図形での条件整理」
大問6題、小問11問の構成で、試験時間は50分。出題の難易度は、昨年度より上がっています。合格に必要な得点率は65%。
大問1(計算、割合)の(1)の計算が昨年度より煩雑ですが、ここは2問とも正解したい問題です。大問2(平面図形[面積])は、見た目ほど易しくはありません。
「2011年度の合否を分けた1題」は、大問3(条件整理[平面図形])です。計算がとても複雑ですので、丁寧に解き進めることが大切です。(1)は必ず正解したい問題ですが、(2)で時間がかかるかもしれないので、わからない時は先に進める決断も必要です。
大問4(条件整理[立体図形])は、出題されている立方体の一辺の長さが求められないので、戸惑うかもしれません。大問5(和と差)は、書き出してみれば仕組みがわかります。低学年でもできるかもしれませんので、挑戦してみてください。大問6(速さ)は、比が絡んだ問題で難しく感じるかもしれませんが、難問ではありません。
大問3・4・5・6とも、(2)は時間の取られる問題でしたので、(1)を手付かずにしたくない出題でした。
典型的な問題がほとんどなかったので、算数が苦手な子どもには難しかったかもしれません。
■女子学院中学校の算数を分析 「考える問題」が増加
大問7題、小問14問の構成で、試験時間は40分。昨年度と比較すると、出題の難易度が少し下がりました。合格に必要な得点率は70%。試験時間が40分ですので、1問に5分使うと時間が足りません。以前に比べ考える問題が増えてきたので、難しい問題で時間を使いすぎないように注意が必要です。時間がかかりそうだと判断したら、いったん次に進み、あとで戻って解くようにするのも一策です。
大問1(計算、平面図形[角度]、規則性、平面図形[面積])の(2)は、もし1分で解けなかったとしたら、あきらめて先に進んでいい問題です。女子学院の角度の問題は難問が多いです。大問2(割合)は、出題文に書かれた物の種類は多いですが、単純な比の問題です。大問3(条件整理)は、難しくはありませんが、面白い問題です。もし時間がかかりそうな場合は、先に進めてもよい問題です。大問4(平面図形[面積])は、見た目は斬新ですが、素直な面積の問題です。大問5(割合)の(2)は、少し難しいので、解けなかったとしても特に問題はないでしょう。大問6(点の移動)は、図を描いて条件をうまく整理できれば難しくはありません。大問7(立体図形)は、難問ではありませんが斬新な問題です。
「2011年度の合否を分けた1題」は、大問4(平面図形[面積])です。大問3で時間を取られていなければ、落ち着いて得点できる問題です。時間配分に気を付けることが重要です。
■フェリス女学院中学校の算数を分析 合否を分けた問題は「条件整理」
大問5題、小問15問の構成で、試験時間は50分。昨年度の45分から5分長くなりました。出題の難易度は、昨年度よりやや上がっています。合格に必要な得点率は65%。
大問1(計算、平面図形[角度]、平面図形[面積]、和と差、数の性質)の(5)の2問目は、3分以内に解き方を思いつかない場合、先に進めていい問題です。書き出し始めると時間を取ってしまいます。大問2(図形[平面、立体])の(2)は、解き方に工夫が必要ですので、正解できなかったとしても問題ないでしょう。今年度の出題で確実に全問正解できそうなのは、大問3(速さ)だけですので、これは必ず正解したい問題です。グラフに描いて整理するとわかりやすいでしょう。大問4(条件整理)の(1)は、重複に注意が必要です。(2)は丁寧に書き出せば解ける問題です。大問5(平面図形)は、斬新な問題です。(2)は難しいので、時間のない時はあきらめるもの一策です。
「2011年度の合否を分けた1題」は、大問4(条件整理)です。丁寧な取り組みで、正解を出せる問題です。
■桜蔭中学校の算数を分析 合格に必要な得点率は「85%」!
大問5題、小問18問の構成で、試験時間は50分。出題の難易度は、昨年度より少し下がっています。合格に必要な得点率は85%。
大問1(計算、数の性質、立体図形、平面図形)は、全問正解したい問題です。大問2(割合)は、割合の基本問題です。ここまでは、必ず全問正解することが望ましいです。大問3(条件整理)は、計算が煩雑ですが難しくはありません。大問4(条件整理)は、正しく書き出せれば簡単に解けます。大問5(速さ[グラフ])は、グラフの基本問題です。
「2011年度の合否を分けた1題」は、大問5(速さ[グラフ])です。
全18問のうち、15問正解すると83%、16問正解すると89%ですので、15問か16問正解しないと合格できないことになります。今年度は比較的易しい問題が多かったので、来年度は難易度が上がることもあるかもしれません。