受験に役立つ読書とは?[中学受験]
国語力を付けるには、「読書」が有効であるとよく言われる。それでは、「どんな時に」「どんなふうに」「どのくらい」読めば良いのだろうか? また読んでも力にならない読書、というのはあるのだろうか? 月1回実施している森上教育研究所の学習個別相談会でも、少なからず質問される内容である。夏休みも近づいてきた今月は、受験に役立つ読書についていろいろ考えてみたい。
まず読書が最も受験に役立つのは、読解の基礎力が養える点にあると考える。ここで言う「基礎力」とは、「漢字や言葉の意味をたくさん知っている」「文章を読み慣れている」「未知の言葉でも前後関係でだいたいの意味を想像できる」などである。これらは国語だけではなく、算数など他教科でも必要な力であろう。短期間ではなかなか身に付かないから、小さいころからの「読み聞かせ」や「音読」、さらには読書により培っていきたい。
ところで読書習慣はなかなか身に付かないものだが、なんと言っても本が身近にある環境を作ることが大切であろう。たとえばお父さんやお母さんが本が好きであれば、子どもも自然に本に親しむようになる場合が多い。本を読まないのは、読書の楽しさを体験していないからである。その楽しさを発見できれば、言われるまでもなくどんどん本を読むものである。
もしご家庭に本を読む環境がなければ、作ってあげれば良い。たとえば本を何冊か買い与えて、すぐに読める環境にするのである。その場合、1冊や2冊ではなく、できれば5、6冊を同時に買い与えると良い。一緒に書店に行って、2、3冊はお子さまが読みたいという本を買う。その時、保護者からみて、少々疑問であろう本でもあまり文句は言わない。2冊ほどは保護者が読ませたい本で良い。いわゆる「世界の名作」と呼ばれるものでも良い。そして残りの1、2冊は「ちょっと難しいかな?」と思われるものを入れておく。
家に帰ってきたら、本棚にしっかり並べるというよりも、身近に置いておく。時間がある時にさっと手にとって読める状態にしてあげるのだ。これを「積読(つんどく)状態」と呼ぶのだが、案外この状態から読書が好きになる子どもは多い。ところで、間違えても買ってきた本の読書感想文などは書かせないことが大切。こういった負担は、いっぺんに本を読む意欲を喪失させる。
さて、保護者が読ませたいと思って買った「世界の名作」や「やや難しい本」だが、子どもは果たして読み始めるだろうか? もちろん、長いあいだ「積読状態」でそのまま、ということはあり得る。しかしタイミングさえ良ければ、自分が好きで買った本に続いて、「世界の名作」も読み始めることになる。読書は習慣である。一冊読むと、次が読みたくなるものなのである。
ただし、いくつかの条件は必要だ。たとえば雨の休日、面白いテレビもないし、ゲームをする日でもない。保護者からは「宿題は終わったの?」と子ども部屋に追い立てられる。ここで子ども部屋に、マンガや携帯ゲームなどがあると、それらで時間をつぶしてしまう。だがそういったものがなければ、自然に「本でも読むか(それしか時間がつぶせない)。宿題するのいやだし」という状況になるのである。その意味では、子ども部屋の環境は非常に重要だ。気が散るものは、目に付くところには置かないことが大切である。
4年生の終わりまでは、こんな調子で読書をすすめれば良い。本に接する環境を作り出すことで、読書をする習慣が身に付き、結果として読解力の基礎が培われていくのである。ただし5年生になったら受験のことを考えて、このような読書に対する考え方は少し変える必要がある。これについては、次回お話したい。
まず読書が最も受験に役立つのは、読解の基礎力が養える点にあると考える。ここで言う「基礎力」とは、「漢字や言葉の意味をたくさん知っている」「文章を読み慣れている」「未知の言葉でも前後関係でだいたいの意味を想像できる」などである。これらは国語だけではなく、算数など他教科でも必要な力であろう。短期間ではなかなか身に付かないから、小さいころからの「読み聞かせ」や「音読」、さらには読書により培っていきたい。
ところで読書習慣はなかなか身に付かないものだが、なんと言っても本が身近にある環境を作ることが大切であろう。たとえばお父さんやお母さんが本が好きであれば、子どもも自然に本に親しむようになる場合が多い。本を読まないのは、読書の楽しさを体験していないからである。その楽しさを発見できれば、言われるまでもなくどんどん本を読むものである。
もしご家庭に本を読む環境がなければ、作ってあげれば良い。たとえば本を何冊か買い与えて、すぐに読める環境にするのである。その場合、1冊や2冊ではなく、できれば5、6冊を同時に買い与えると良い。一緒に書店に行って、2、3冊はお子さまが読みたいという本を買う。その時、保護者からみて、少々疑問であろう本でもあまり文句は言わない。2冊ほどは保護者が読ませたい本で良い。いわゆる「世界の名作」と呼ばれるものでも良い。そして残りの1、2冊は「ちょっと難しいかな?」と思われるものを入れておく。
家に帰ってきたら、本棚にしっかり並べるというよりも、身近に置いておく。時間がある時にさっと手にとって読める状態にしてあげるのだ。これを「積読(つんどく)状態」と呼ぶのだが、案外この状態から読書が好きになる子どもは多い。ところで、間違えても買ってきた本の読書感想文などは書かせないことが大切。こういった負担は、いっぺんに本を読む意欲を喪失させる。
さて、保護者が読ませたいと思って買った「世界の名作」や「やや難しい本」だが、子どもは果たして読み始めるだろうか? もちろん、長いあいだ「積読状態」でそのまま、ということはあり得る。しかしタイミングさえ良ければ、自分が好きで買った本に続いて、「世界の名作」も読み始めることになる。読書は習慣である。一冊読むと、次が読みたくなるものなのである。
ただし、いくつかの条件は必要だ。たとえば雨の休日、面白いテレビもないし、ゲームをする日でもない。保護者からは「宿題は終わったの?」と子ども部屋に追い立てられる。ここで子ども部屋に、マンガや携帯ゲームなどがあると、それらで時間をつぶしてしまう。だがそういったものがなければ、自然に「本でも読むか(それしか時間がつぶせない)。宿題するのいやだし」という状況になるのである。その意味では、子ども部屋の環境は非常に重要だ。気が散るものは、目に付くところには置かないことが大切である。
4年生の終わりまでは、こんな調子で読書をすすめれば良い。本に接する環境を作り出すことで、読書をする習慣が身に付き、結果として読解力の基礎が培われていくのである。ただし5年生になったら受験のことを考えて、このような読書に対する考え方は少し変える必要がある。これについては、次回お話したい。