2学期の心得(1) 良いときも安心しない、悪いときもあきらめない[中学受験]

これから何回かは、2学期の心得についてお話したいと思う。

2学期はお子さまはもちろん、ご両親にとっても大変忙しく、しかも大きな決断をいくつかしなければならない時期である。
忙しさに流されることなく、しっかりと目標に向かって歩んで行きたいものである。

良いときも安心しない
2学期に模試で合格可能性80%を取ってしまうと、「自分はもう合格できる」という錯覚に陥ってしまうことがある。もう少し正確に言えば、「なんだか落ちる気がしない」というところか。

しかし、夏休みから本腰を入れた受験生や、苦手を克服して実力を上げる受験生は数多くいる。その結果、11月、12月の模試で、自分の合格可能性が下がってしまうということはあり得る話である。

さらに大きな落とし穴としては、過去問で合格最低点をクリアし、それが続いたときであろう。
合格最低点をクリアするのは早いに越したことはないが、その時期があまりに早過ぎると、お正月などの長期休暇につい遊んでしまったり、気が緩んでしまったりする。

その結果、体調を崩す、学習のコツを忘れてしまう、最悪の場合は勉強の習慣を失ってやる気を損ねてしまう可能性がある。
合格可能性80%だったにも関わらず、また、過去問で合格最低点を常にクリアしていたにも関わらず、志望校に合格できなかったという生徒を私は何人も知っている。気が緩んでしまったのであろうか。

子どもは調子に乗りやすく、自分で自分を抑制することがなかなか難しい。大切なのは、ご両親がお子さまを管理してあげるということである。
良いときも安心してはいけない。
安心して良いのは、受験に合格したあとである。

悪いときもあきらめない
これとは逆に、悪いときも決してあきらめてはいけない。
たとえば模試で志望校の合格可能性が30%であったとしても、逆に考えれば「10人中3人は合格する」ということである。つまり「3人はここからあきらめずに勉強して合格した」と考えても良いわけだ。
もちろん「勉強しなくても、10回受験すれば、3回は運で合格する」という意味ではないのでくれぐれも注意してほしい。

この合格可能性のパーセンテージだけを考えれば、合格可能性80%のお子さまでも合格できない10人中の2人に入ってしまう危険性もある。
大切なのは、ぎりぎりまで緩まない・あきらめないということ。模試の結果に一喜一憂することなく自分の弱点と向き合い、克服することであろう。

2学期からすべての試験が終了するまでまだ5カ月以上ある。「良いときも安心しない・悪いときもあきらめない」という平常心を常にもちたいものである。

プロフィール


小泉浩明

桐朋中学・高校、慶応大学卒。米国にてMBA取得後、予備校や塾を開校。現在は平山入試研究所を設立、教材開発など教務研究に専念。著作に「まとめ これだけ!国語(森上教育研究所スキル研究会)」などがある。

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