2学期の心得(3) 悪いときはあがく[中学受験]

三つ目は「悪いときはあがく」ということ。
一所懸命に勉強しているにも関わらず、一向に変化がないとか、逆に成績がどんどん下がってしまうという状況になった場合どうするか。

結果がでるまで3カ月
前にもお話したように、偏差値を上げるためには他の受験生よりも努力しなければ成績は上向きにならない。しかし「これだけやっているのに」という自負があるならば、勉強方法の改善を考えてみるべきであろう。

特に偏差値がじりじりと下がってきた場合は、「少し様子を見てみよう」とか、「今は調子が悪いだけだ」と言って何も変えないまま過ごしてしまうのは危険であろう。

もちろん勉強の成果が出るには、それなりに時間が必要ではある。
個人差はあるが、勉強を始めてから結果が出るまでには平均3カ月はかかると言われている。5月から真面目に勉強に取り組み始めたとしたら、その結果が出るのは8月、つまり今月くらいからだ。
だから「先月から勉強を始めたのになかなか点数が上がらない」と今焦っても仕方がないのである。

結果が出なければ第三者への相談
一方、4月以前から勉強に取り組んでいるにも関わらず、今もその成果が出てないというのであればすぐ手を打ちたい。

それでは具体的にどのようなことを行えば良いのか。

速効性があり確実なのは、第三者への相談であろう。
いろいろな情報を集めるために、塾の先生はもちろん、中学受験の権威者、または受験経験者やその親など、いろいろな人の話に耳を傾け、有益であると思える情報を取り入れ実行すること。
現状の何がどう悪いのかを、成功例と比べることによって浮き彫りにすることが、悪い状況を打破する最短の近道である。

悩みを抱えこまない
なによりも避けなければならないのは、ご両親が悩みを抱え込んでしまい、結果として何もしないことであろう。

我が子の成績が思うように上がらないというのは、親にとっても大きな悩みの種であり、そう簡単に他人に打ち明けられないかもしれない。
しかし確信のないものをお子さまに押し付けるわけにもいかないし、もちろんお子さま自身に任せることもできない。

特に中学受験が初めてのご家庭では、ご両親が受験の正確な知識を持ち合わせているとは限らないので、問題が生じても上手に対応できない可能性もある。
気兼ねすることなく、どんどん相談して、早く解決方法を見出すのが最善の方法であろう。

ただし、最終的な判断はご両親がせざるを得ない。つまり塾の先生に対してさえも、信用しても良いが頼ってはいけないということだ。
他の人に頼りきるのではなく、ご両親自身が最終的な選択をすることが中学受験でも大切であろうと考える。

プロフィール


小泉浩明

桐朋中学・高校、慶応大学卒。米国にてMBA取得後、予備校や塾を開校。現在は平山入試研究所を設立、教材開発など教務研究に専念。著作に「まとめ これだけ!国語(森上教育研究所スキル研究会)」などがある。

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