取得できる資格について【大学受験の基礎知識】

大学で学ぶとさまざまな資格を取得できますが、そのタイプはいろいろです。
教員資格や保育士のような資格は大学4年間のカリキュラムのなかに、資格取得に必要な単位が組み込まれていて、卒業と同時に資格を取得することができます。
また、医師や看護士、管理栄養士などは、卒業だけではなく国家試験にも合格する必要があります。
この場合は国家試験の受験資格を得るために必要な単位を、大学(もしくは専門学校)で取得しなければならないことになります。
また一級建築士などでは、必要単位を大学(もしくは専門学校)で取得したうえに、実務経験を積まなければ受験資格を得ることはできません。
あとの二つのタイプの資格は、国家資格として国によってその既得権が守られているもので、毎年一定数にしか資格が与えられませんから、職業に直結しやすいのが特徴です。
一方資格には、小さな任意団体が認めるもので認知度も低く、職業としても成り立たないようなものまで多数あります。

修業年限から見ると医師や歯科医師、薬剤師のように6年間必要なものから、自動車整備士2級のように2年制の短期大学を卒業することで得られる資格もあります。
一方、臨床心理士のように大学院まで進まないと受験資格を取得できないものや、新司法試験などのように法科大学院という専門の大学院(専門職大学院)で学ばないと受験資格が得られないものもあります。

就職氷河期を通じて安定した職業に直結する資格の取れる学部・学科は、他の学部・学科が志願者を減らすなか、軒並み根強い人気を保ちました。
特に医療系では医・歯人気だけではなく、看護・理学療法なども人気です(薬学は2006(平成18)年度からの6年制への移行で一旦志願者が減少しました)。
また教員や管理栄養士養成課程、保育士養成校などにも人気が集まっています。
しかし、こうした資格の養成課程や養成校に入ればあとは安心かというと決してそうでもありません。
資格試験の合格率が問題だからです。
昨年合格者が発表された新司法試験においても、各法科大学院の合格率は83%から0%まで(受験者1で合格者1の島根大除く)と大きなばらつきがありました。
合格者の数を見ることも大切ですが、合格率を見ることはもっと大切なのです。教員養成課程などもこうした視点で見ると意外な数字が浮かび上がってくるかもしれません。

また最近の各大学の動きとして、受験生に人気のある課程があると、多くの大学がこぞってその学科や課程を開設するという傾向が見られます。
また大学を卒業し、資格を取得してもその先には長い職業人としての道のりが待っています。
今人気がある資格だからといって、遠い将来においてもそれが社会で求められ続けるとは限りません。
志望校選択にあたっては資格を将来の需給面からも分析してみるなど、長期の展望をもつことも必要です。

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