知っておきたい!子どもの歯列矯正の基礎知識

「歯科矯正」は、歯並びや噛み合わせを治す治療。近年は虫歯がないことだけでなく、適切な歯並びや噛み合わせも健康維持のためには重要だと考えられるようになりました。お子さまの歯並びが気になる、学校の歯科検診などで指摘されて矯正の必要があるかもしれないと考えている…という保護者のかたに、子どもの歯科矯正の基礎知識をお伝えします。


「矯正専門歯科」と「小児専門歯科」、どちらを選べばいい?

 まず、本当に矯正が必要かどうかを判断するために、歯科を受診する必要があります。子どもの歯を治療する際には「小児専門歯科」(小児歯科)を受診することが多いと思いますが、矯正を実施する場合には、矯正治療に関する知識や技術を持っている「矯正専門歯科」を受診する必要があります。小児専門歯科に矯正専門歯科を併設している、矯正専門医がいるといった場合もあるため、ホームページや問い合わせの電話をするなどして確認しましょう。

 

 

矯正を始めるタイミングは医師と相談の上で決まる

 矯正のタイミングは、歯や顎の状況、歯並びや噛み合わせによって人それぞれです。「歯の位置が動きやすい低年齢から始めるべき」「永久歯が生えそろってからにするべき」など、さまざまな説を耳にすることがあると思いますが、判断は医師によっても異なり、一概には言えません。

 

とはいえ、まず重視すべきは、矯正のプランを練り、将来的に健康な歯並びや噛み合わせになるよう計画していくことです。矯正は年単位での取り組みになりますので、歯並びや噛み合わせの悪さが気になることがあれば、早めに矯正専門歯科で診てもらうようにしましょう。状況によっては「できるだけ早いうちに始めたほうがいい」ということもあります。

 

 

料金はおおよそ30〜100万円以上と大きな幅がある

 歯科矯正にはお金がかかると言われていますが、それは特別な器具や装置を使用することや、治療期間が長いことによるものです。料金体系も歯科によって異なります。

 

【治療に必要な料金の種類】

矯正前:
初診料、精密検査料(レントゲン撮影、歯型採取など)、診断料・相談料など

 

治療実施中:
基本料金、器具・装置料金、調整料・処置料など

 

治療期間終了後:
リテーナー(保定装置。歯の位置を固定するもの)料、定期健診料、メンテナンス料など

 

以上のような項目の料金が組み合わせられたプランになっていたり、矯正前・実施中の料金が「総額」として提示されたりと、単純な項目別の料金での比較がしにくいという傾向があります。また、いったん予定通りの治療が終わっても十分な結果を得られず、再度矯正治療を行う必要が出る場合もあり(二次治療)、理想を求めればどこまでお金がかかるかなかなかはっきりしません。矯正は一部のケースを除き自由診療であり健康保険が適用されないため、資金の準備も必要です。矯正の計画には、料金や支払い方法についても十分考慮するようにしましょう。

 

 

治療に対して納得がいかない場合にはセカンドオピニオンを

 子どもの歯科矯正は、お子さまだけががんばれば済むというものではありません。治療には痛みや日々の手間を伴うことも多く、家族の協力が不可欠です。これらを支えてくれる医師の存在はとても大切なもの。治療方針、治療前の十分な説明、料金の明瞭さ、医師の子どもに対する態度などもよく考慮し、納得がいかない場合には必ずセカンドオピニオン(別の医師による第二の意見)を求めましょう。お子さまに合う医師を探すのは簡単なことではありませんが、長い期間と多くのお金をかける必要のある重要な治療であることをしっかり頭に入れ、十分に調べてみてください。インターネットだけでなく、ご近所やお友達の保護者による評判も参考にするといいかもしれませんね。

 

 

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