志望大の入試で英語の「話す」「書く」が出題されないなら、「聞く」「読む」の勉強に集中すべき?

「話す」「書く」の表現活動に取り組むと、英語を使うことや英語学習への意欲が高まる

大学入学共通テストの英語は、リーディング(読む)、リスニング(聞く)が出題されます。スピーキング(話す)、ライティング(書く)は、国公立大学の個別学力検査や私立大学入試で出題される場合と、出題されない場合があります。すると、志望する大学・学部の出題内容を調べ、必要な技能だけ勉強すればよいかと思われるかもしれません。

しかし、結論からいうと、「聞く」「読む」と同じく、「話す」「書く」もしっかり学ぶこと、英語4技能の力をトータルに高めることをおすすめします。「話す」「書く」の学習をしているほうが、英語を使ったり学んだりすることへの関心や意欲が高いという調査結果もあります。

ベネッセ教育総合研究所の調査で、高校3年生の英語の授業で、「話す」「書く」活動をしていたグループと、していないグループを比較しました。次のイラストは、していたグループと、していなかったグループで大きく差が出た項目です。「話す」「書く」活動をしていたグループの方が、以下のような『英語を使う意欲』や『英語や外国語を学ぶ意欲』に関する項目で、より肯定する回答が多い結果となりました。

英語を使う意欲 英語や外国語を学ぶ意欲

*英語や英語学習に関することについて尋ねた11項目中、「話す」「書く」活動をしていたグループ(「よくしていた」「ときどきしていた」と回答)としていなかったグループ(「あまりしていなかった」「まったくしていなかった」と回答)で差が大きかった(25ポイント以上)8項目をイラストにして表示。

出典:2021年12月5日上智大学・ベネッセ英語教育シンポジウム2021「『英語学習に関する継続調査』から英語教育を考える-『調査報告』」
https://www.arcle.jp/report/2021/pdf/1_1_1.pdf

授業で「話す」「書く」活動をすると、なぜ英語を使うことや英語学習への関心や意欲が高まるの?

なぜ「話す」「書く」活動に取り組むと、英語を使うことや英語学習に対する関心や意欲が高まるのでしょうか。2021年12月に実施された上智大学・ベネッセ英語教育シンポジウムでは、「英語学習に関する継続調査」の結果をもとに、英語教育の専門家が議論を行いました。その中で次のようなコメントがありました。

  • 言葉の学習は、習ったこと・覚えたことを使って慣れていけばいいというように直線的に進むわけではありません。「学んでは使い、使っては学ぶ」といったことを行ったり来たりしながら、ジグザグに進んでいくのが自然です。最初からうまく言えなくても、あとで適切な英語や説明を聞いたり読んだりして、「なるほど、そう言えば(書けば)よいのか」と気づきが触発されます。インプットばかりに集中するのではなく、アウトプット活動・学習を織り交ぜていくことで、学習意欲と効果の双方を同時に高めることができます。言葉の学習は短期的な効率性だけでなく、総合的な効果性をぜひ考えていくべきでしょう。
  • (和泉伸一先生・上智大学)

*和泉先生のコメント内容をベネッセ教育総合研究所がイメージ化。

  • 「話す」「書く」活動をより多く行った生徒は、英語学習に積極的に取り組み、英語学習を続けようとする態度が見られます。「話す」「書く」経験、つまり、自分の体を通して言葉を産出することで、言葉が自分のものになっていく実感が得られるのでしょう。その経験が「英語が通じてうれしい」「学校外でも使用したい」「もっと勉強したい」といった英語を使うことや学習への動機を高めると思います。
  • (アレン玉井光江先生・青山学院大学)

英語学習では、「聞く」「読む」と「話す」「書く」は切り離せない関係にあるといえるでしょう。英語4技能をバランスよく学習することで、受験に対応する英語力が伸びるだけではなく、実際の場面で使える英語力が高まります。また、「話す」「書く」といった表現活動は、英語を自分のものとして使う喜び、使いたい気持ちを高め、結果としてもっと英語を勉強したいという気持ちを高めてくれるでしょう。

入試に向けての学習効率だけを考えると、「話す」「書く」は必要ないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は「話す」「書く」は総合的な英語力や英語学習への意欲・動機の向上に重要な役割を果たすと考えられます。また、「話す」「書く」学習は、入試のあとの長い人生において、「やっておいてよかった!」と思えるものになるでしょう。

参考:2021年12月5日上智大学・ベネッセ英語教育シンポジウム2021オンライン開催報告(速報)「英語を使いたい、学びたいという意欲を高める英語教育とは-小6から高3時まで7年間」
https://www.arcle.jp/report/2021/0001.html

プロフィール

加藤由美子

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