小学生の我が子を英語好きにするために親ができること【後編】

多くのお子さまは、小学校の外国語活動を通して初めて本格的に英語にふれます。お子さまが学校でどのような活動をしているかを知り、もっと英語が好きになれるように学びをサポートしてあげましょう。英語に苦手意識をもつお子さまへの対処法も合わせて、引き続き、ベネッセ教育総合研究所・グローバル研究室室長の加藤由美子氏にお話を聞きました。


小学校の外国語活動は、中学校以降につながる重要な学び!

 外国語活動は歌やゲームが中心だと知ると、「なんだ、遊びなのか」と思われるかもしれません。確かに、いわゆる「勉強」とは異なりますが、結果的には中学校以降につながる大切な学びであると捉えていただくことが重要です。保護者のかたからも、学校で学習したことや新たに知ったことを聞くなどして一生懸命に取り組むように促してあげてください。

 

お子さまが外国語活動で使っている教材をご覧になったことはありますか?学校によって独自の追加教材を用意している場合もありますが、全ての学校の児童に対し、5年生は『Hi, friends! 1』、6年生は『Hi, friends! 2』という教材が文部科学省から配布されています。学校で預かっている場合とお子さまに渡されている場合がありますが、お子さまがお持ちの場合、『Hi, friends!』をご覧になったら、内容がイラストばかりで構成されていて、びっくりなさるかもしれません。これは、前編で説明したように「聞くこと」「話すこと」から英語の音声に慣れ親しむことから始める、という方針があるからです。

 

 

親子で一緒に復習することで前向きな気持ちがどんどん育つ

 外国語活動は、歌やゲームが中心ですから、家に帰って一人で復習するのが困難です。そこで、お子さまにどのような活動をしたかを聞いて、親子でもう一度一緒に楽しんでみましょう。また、活動で使った単語や表現も聞いてみてください。こうした振り返りは、もちろん復習の効果もありますが、それ以上に親が興味をもっているというメッセージを伝えることで、英語に対して前向きな姿勢をもたせる意味があります。

 

外国語活動で学んだ内容をもとに、家庭内で英語を使ってみるのも英語を好きになってもらうための良い方法です。アルファベットを教えないとはいえ、4年生の国語の授業でローマ字の勉強をしますから、いくつかの文字を除いてアルファベットは理解しています。また小学校5・6年生の外国語活動では、250語前後の単語を用い、主に中学1年生で学ぶレベルの文法表現を「聞くこと」「話すこと」の中で使っていますから、簡単な会話のやり取りもできるようになります。

 

例えば、5年生では「What do you like? What animal/color/fruit/sport do you like? I like ?.」「What"s this? It"s a piano.」、6年生では「Where is the school? Go straight.Turn right ?.」「I want to be a teacher.What do you want to be?」などの表現が出てきます。先生の指導用の資料ですが、文部科学省の下記URLのページには、5・6年生でどのような表現を使うかが公開されていますので、興味のあるかたはぜひご覧ください。

 

文部科学省“Hi,friends!”関連資料

http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1314837.htm

 

 

英語が嫌いという場合には理由がある! よく話を聞いて対処しよう

 「お子さまが英語に対して苦手意識をもっているが、どうしたら良いか?」という質問を受けることもよくあります。外国語活動は歌やゲームを通して楽しむことが目的ですから、基本的に好きなお子さまが多いのですが、何らかの要因で嫌いになってしまうこともあるようです。対処法としては、まず要因を特定することが大切ですので、よく話を聞いてあげましょう。小学校の先生や英語教材を作る人にうかがった話では、小学生の時期に英語を敬遠してしまうお子さまは、次のような理由をもっていることが多いようです。

 

◆英会話スクールに通うお子さまを見て、「自分はできない」と思い込んでしまう

英会話スクールに通うお子さまは、先生の英語を少し聞いただけで上手に英語を繰り返します。それを見て「自分には無理だ。英語は向いていない」と思い込んでしまうお子さまがいるようです。しかし、英会話スクールで先に学んでいるのですから、できて当然。学校以外で学んでいない子どもが、英語に向いていないわけではまったくありません。こうした誤解に基づく苦手意識を中学校以降に引きずってしまったら、実にもったいないことです。

 

お子さまが、こうした状況で悩んでいたら、英会話スクールに通う子どもができるのは当たり前であり、あなたが苦手なわけではないこと、またその差は今後の活動や中学校以降の学習のやり方次第ですぐに追いつけることを伝えましょう。そのうえで、「自分もできるようになりたい」という気持ちが見られたら、ご家庭の判断で英会話スクールに通わせても良いでしょうし、家庭用教材で学習したり、今はオンラインレッスンなどの学習法もあります。

 

◆英語が「わからない」という状況が耐えられない

比較的成績の良いお子さまに多いのですが、「わからない」という状況に強いストレスを感じてしまうケースがあります。他の教科でわからないことがあると、先生に質問したり、自分で学習したりして理解しようとするようなお子さまです。

 

しかし、英語は他の教科とは違い、わからないことがほとんどです。英語教育に携わる者の間では「あいまいさに耐える」という言い方をしますが、わからないことを受け入れたうえで、ジェスチャーや具体的な物の助けを借りて想像したりしながら少しずつわかるようになっていく、だいたいわかるようになっていくことが英語習得において必要なステップなのです。そのことをよく説明して、他の教科とは異なる気持ちで学べるようにサポートしてください。

 

◆文字の「勉強」から入ってしまった

外国語活動では、「勉強」ではなく「言葉」として英語に出合わせることを狙いとしています。しかし、遊びなどを通してアルファベットに十分に親しむ前に文字の勉強から入った場合、お子さまによっては身につきづらいことがあります。そうしたお子さまは、ひらがなや数字でも習い始めの時期につまずく傾向があるようです。

 

そのような場合は、ゲームなどを通してアルファベットの形にだんだん親しむことや歌やゲームの中で英語の音に慣れ親しむことを改めて楽しめるようにしてあげると良いでしょう。

 

 

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