小学校の「外国語活動」の内容は?

2011(平成23)年4月から小学校高学年で外国語活動がスタートしますが、具体的にどんな活動が行われるかご存じでしょうか? 
Benesse教育研究開発センターでは、新学習指導要領への移行期間にあたる2010(平成22)年に「第2回小学校英語に関する基本調査(教員調査)」を行いました。同時に、小学校で「外国語活動」をしている小学6年生(9名)にインタビュー調査を実施。これらの結果を用いて、「外国語活動」の具体的な活動内容をご報告します。


外国語活動の内容は「聞く」「話す」が中心

まずは、外国語(英語)活動の内容・頻度と、使用する設備・機器・環境について高学年の学級担任の先生に聞いてみました。

【図1 あなたの学級の外国語(英語)活動において、次のようなことをどれくらい行いますか】


注1:〔 〕内は「よく行う」+「ときどき行う」の計
注2:英語活動を「行っている」学級(n=2,315)のみ対象


【図2 あなたの学級の外国語(英語)活動で使用する設備・機器・環境はどのようなものですか】


注1:複数回答
注2:英語活動を「行っている」学級(n=2,315)のみ対象


●英語の「あいさつ」「ゲーム」「歌やチャンツ」などの音声活動……9割以上
外国語活動内容の上位5項目は「英語のあいさつ」「ゲーム」「英語の歌やチャンツ」「会話練習」「発音練習」となり、英語を聞いたり、話したりする音声重視の活動で占められています。
音楽を使って英語の音やリズムに親しんだり、ペアやグループになってコミュニケーションを楽しんだりする活動が行われていることがわかります。

●英語を「読む」は約3割、「書く」は1~2割
小学校の外国語活動では「聞く」「話す」活動が中心ですが、「英語の文字や文を読むこと」「英語の文字や文を書くこと」を行う学級も1~3割ある、というのが現状です。

●CDプレーヤーやパソコンなどを積極的に活用
英語の歌やチャンツや、正しい発音に触れさせる目的などから、CDプレーヤーの活用率は8割以上。楽しみながら外国語に慣れ親しませるために、先生たちがパソコンや電子黒板などのさまざまな設備や機器を活用している様子がうかがえます。



子どもたちの感想……楽しいけれど、つまらない?

次に、子どもたちは外国語活動をどのように感じているのか、見てみましょう。

・楽しい。社会とか理科や国語とかはノートを写したり、ずっと聞いて書いたりしないといけないけど、英語は聞いて、言ったりするだけだからいい。(小6男子)
・楽しいときもつまらないときもある。楽しいのは、ほとんどゲームだから。ゲームを列別でやって、正解したら1ポイントずつもらって、一番多いポイントの列が優勝。つまらないのは、ゲームをやったあと、感想文を書くから。先生とどんな交流をできたかとか。丸を付けたり、1の感想、2の感想、その後、また一つ書いたり。面倒臭い。単純に本を開いているだけのときもつまらない。(小6男子)
・楽しいけれども、ちょっと簡単。繰り返し同じことをやることがある。合っているか、何回もやる。たとえば、CDが2回繰り返される。わからない子がいると、それをまた先生が流してしまう。(小6女子)
・大体楽しいが、たまにつまらない。ずっと「英語ノート」ばかりやっているときは、若干つまらない。聴いて、どこの国か書くだけなどは、あまり面白くない。(小6女子)
・楽しいけど、歌がへんだったりして、恥ずかしいからひいてしまって、リピートできない。ちょっとやりにくい。主なものは歌。それに、友達と英語であいさつをする練習があるけど、友達が大きな声だとリアクションできないことがあり困る。ただ、面白いし、みんなが盛り上がる。(小6女子)


●歌やゲーム、クイズといった手法は楽しいけれど、英語を学ぶ楽しさはこれから
多くの子どもは、外国語活動は「楽しい活動」と感じているようです。ただし、「繰り返しが多く、簡単すぎる」「『英語ノート』ばかりでつまらないこともある」「歌を歌うのが恥ずかしい」などの意見もありました。

子どもにとって「楽しい活動」ではあるようですが、「あと1時間学校の授業が増えるなら、何の授業がよいか」と尋ねると、体育・図書・理科・算数・音楽・クラブ活動・家庭科などが挙がり、9名中で外国語活動を挙げる子は残念ながら1人もいない……という結果に。
まだ、英語が役立つシーンや、英語を使った仕事などをリアルにイメージすることができないだけに、英語を学ぶ意味や真の面白さを実感するのは、中学生以降と言えるのかもしれません。


外国語活動に関する近隣小学校や中学校との連携はまだ弱い

最後に、外国語(英語)活動に関する近隣の小学校や中学校との「連携」の状況について、教務主任に伺いました。

【図3 貴校の外国語(英語)活動に関する近隣の小学校や中学校との「連携」の状況について伺います】


注1:〔 〕内は「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の計
注2:英語活動を「行っている」学校(n=2,374)のみ対象


●近隣の小学校どうしで情報交換している……4~5割
小学校の外国語活動を担当する先生たちの約半数は、地域で横のつながりを持ち、指導内容の情報交換やレベルをそろえるといった活動をされています。

●中学校の英語教員と集う機会がある……約3割
中学校と連携したカリキュラムを作成している……1割弱

近隣小学校のつながりは5割程度ありますが、小学校の外国語活動を担当する先生と、中学校の英語の先生とのつながりは3割に留まります。中学校と連携したカリキュラムを持つ小学校にいたっては1割弱となっています。中学校と小学校との連携はまだ模索している段階と言えそうです。


(まとめ)
小学校の外国語活動は、音声を中心に楽しみながら外国語に親しむ内容。今後は中学校との連携が課題か

外国語活動は新学習指導要領の「外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませながら、コミュニケーション能力の素地を養う」に沿った内容が中心となっており、前回ご報告したとおり教材も文部科学省の「英語ノート」の使用率が9割を超えていることなどから、かなり足並みがそろってきたように感じます。そして、子どもたちもそれなりに楽しんで活動をしているようです。

ただ、楽しさ、親しみやすさを中心とした小学校の外国語活動から一転して、中学校では正確さが求められます。子どもたちがこのギャップに戸惑わないよう、小学校と中学校の連携が、これからの課題のひとつと言えそうです。小学校の外国語活動と中学校英語の内容をつなぎ、差を段階的に埋めていくカリキュラムやサポートが学校にも家庭にも求められていくのではないでしょうか。


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