中学必修化の武道は年間13時間 柔道部で受身を覚えるのと同程度
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2012年4月から中学校1・2年生の体育で武道が必修化された。武道として実施されるのは柔道、剣道、相撲などだが、多くの都道府県において柔道が採用されると予想されている。しかしながら、保護者の間からは柔道での事故を懸念する声も多数あがっているという。これに対し、今年3月から文科省は柔道の指導体制の総点検を始めたとのことだが、それは一体どんな内容なのだろうか。教育ジャーナリストの斎藤剛史氏はこう説明する。
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「柔道の授業を担当する教員の指導歴や研修歴、外部指導者との協力体制の有無などを点検し、指導体制や施設・設備が不十分と判断された場合、柔道の授業の開始を遅らせたうえで安全確保を図るよう都道府県教委などに求めています。
文科省は計画的に体育教員の柔道研修を進めていますが、指導に不安を抱いている体育教員も少なくないため、柔道の授業開始を遅らせる中学校が多く出ることも予想されます。また、文科省は柔道の指導手引などの改定も併せて行っており、頭部を打たないようにするなど安全指導の徹底を図る予定です」(斎藤氏)
ちなみに、実際に行われる武道の授業時間は年間で約13時間になるという。これはどれくらいのレベルまで柔道を学べる時間なのだろうか。
「柔道部や町道場などで最初に『受け身』を覚えるのと同じ程度の時間数です。そう考えると中1の柔道の時間は、ほとんど受け身だけでもよいのかもしれません。
柔道はきちんとやれば、大変良いスポーツです。特に受け身は、覚えておくと日常生活の中の危険な場面で役に立ちます。自由に技を掛けあう『乱取り稽古』は選択授業となる3年生からとし、必修の1・2年生は『受け身』と技の基本を覚える『形稽古』だけに徹する、というよう順を追って学ぶようにすれば、安全確保のために必要な知識が段階的に得られるのではないでしょうか」(斎藤氏)
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