【体験談】勉強してほしい時、どう声をかける?
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中学生や高校生の子どもが勉強せずに長時間スマホをいじったり、ゲームをしたりしている時、「勉強しなさい!」と声をかけてケンカに……。
多くの保護者のかたから、「逆効果なのはわかっていても、ついストレートに言ってしまう」という悩みがしばしば聞こえてきます。
では、勉強してほしい時には、どんな言葉を選べば効果が高いのでしょうか?
この記事では、保護者の皆さまにご協力いただいたアンケートの結果をもとに、「勉強を促す時の声かけ・接し方」についてご紹介します。
中高生のお子さまがいらっしゃる保護者のかたが実際にかけた言葉や、お子さまへの接し方を、ぜひ参考になさってください。
二大《勉強促しフレーズ》は「勉強終わったの?」「何時から勉強するの?」
今回のアンケートでは、幼児から高校生まで幅広い年齢のお子さまの保護者のかたに、「お子さまに勉強してほしい時、どう声をかけますか?」と質問しました。
ご協力いただいたかた全体の回答を集計したところ、特に多かったのは「勉強(宿題)終わったの?」(全体の28.4%)と「何時から勉強するの?」(全体の26.5%)の2つでした。
中学生・高校生の保護者に限ってみても、勉強を促す時にはこの2つの声かけをする人が多い傾向にありました。
ただし、お子さまの学年が上がると、生活スタイルの変化などに伴って、異なる声かけも見られるようになります。
たとえば高1~3年生だと、「何時から勉強するの?」の代わりに「もう〇時だよ」と声をかける保護者のかたがめだちました。
ただ、「声をかけても勉強しない」「機嫌が悪くなる」という意見も多数見られました。
どのご家庭でも、お子さまを勉強に向かわせるのは一筋縄ではいかないことがわかります。
(体験談)
「何時から勉強するの?」、「もう○時だよ」、「勉強(宿題)は終わったの?」など定番の声かけをすれば素直に勉強を始めるのですが、子どもの自主性に任せるとまったくやらなくて……。イライラしてしまいます。
(東京都・中2生の保護者)
「勉強しないの?」と聞くと機嫌が悪くなって口ゲンカに。そこで、「何時から勉強するの?」と声をかけて、開始時間を自分で決めさせるようにしたら衝突が減りました。それでも、本人が申告した時間を過ぎてもスタートしないこともありますが……。
(神奈川県・中3生の保護者)
叱ってもよい結果にはならないと思いつつも、子どもがダラダラしていると思わず「何してんの?」と責めてしまいます。
(福岡県・中3生の保護者)
勉強を促す声かけ・接し方のコツ1:
具体的な内容をお子さま自身に決めさせる
ここからは、中高生の保護者が効果を実感している「勉強を促す声かけ・接し方」のポイントを3つご紹介します。
定期テストや模試もある中高生は、自宅での学習が重要になります。
だからこそ、お子さまの意欲をアップさせる声のかけ方を知って、スムーズに机に向かえるよう促してあげたいですね。
多くのかたが「効果的!」と感じている声かけのコツが、「お子さま自身が勉強の予定を決めて取り組むよう誘導する」こと。
さらに、「〇時から」「何を・どのくらいやるか」といった、勉強に関する具体的な内容を会話の中に盛り込んだり、最低限の時間を決めたりしている人もいました。
また、まだ中学1年生だと、自分で優先順位を決めて取り組むのが難しいことも。
その場合は、保護者のかたが「どの宿題からやろうか?」などと具体的に聞いてあげることで、お子さまも勉強モードになりやすく、アクションを起こしやすくなります。
「勉強しなさい」と声をかけても反発されるかな? と感じたら、試してみてはいかがでしょうか。
(体験談)
定期テスト前に勉強していないようなら、「今日は何(教科)の勉強する予定なの?」と声をかけます。すると子どもも「やらなきゃな」と多少は考えるはずなので、それだけでもメリットはあるかな、と思います。
(兵庫県・高2生の保護者)
まず「何時から勉強するの?」と声をかけ、「今日は何やる? 一緒にやること決めようか」とダメ押し。自分で計画を立てて取り組むのはまだ難しいようなので、学習習慣が身に付くまでは具体的な内容を提案していくことも必要だと考えています。
(千葉県・中1生の保護者)
子どもは帰宅後すぐお風呂に入ることが多いので、テレビを見ながら夕飯を食べて、なんとなくリビングでダラダラしがち。そこで、食べ始める前に「何時に復習始める?」と声をかける習慣をつけたら、時計を見て「〇時から」と決めるようになりました。キッチリとは守れなくても、本人なりに「そろそろだな」と感じるようで、テレビを見続ける時間が減りました。
(岡山県・高1生の保護者)
勉強を促す声かけ・接し方のコツ2:
ごほうびを用意してがんばりを引き出す
勉強を促したくなるのは、子どもの将来を思えばこそ。
でも、お子さまには「ストレートに言われると反発したくなる」など複雑な思いがあることも、保護者のかたは気付いているようです。
このような状況のなかで、多くの人がテクニックとして活用しているのが「ごほうびを用意する」方法です。
「終わったら好きなことをしていいよ」と伝えたり、お菓子などを用意したりすることで、「だったらやろうかな」と意欲を感じるお子さまも少なくないはずです。
いったん始めればやる気が続く場合も多いので、勉強のきっかけとしてごほうびを活用するのもアリですね。
(体験談)
「勉強しなさい」とストレートに言うと反発されるので、子どもが自室に行こうとしている時に「デザート買ってあるから、勉強終わったら食べてね」と、がんばった後のごほうびがあることをそれとなくアピール。成功率高めです!
(北海道・高1生の保護者)
子どもが中1になった時に、「帰宅後すぐに宿題→終わったらお風呂の時間まで好きなことをしてOK」というルールを家族で決めました。「宿題が終わったらやりたいことができる」とわかっていると、集中して取り組めるようです。
(東京都・高3生の保護者)
勉強を促す声かけ・接し方のコツ3:
あえて「もう寝たら?」と勧める
保護者のかたのコメントで少なからず見られたのが、「もう寝たら?」「今日は休んだら?」といった声かけでした。
「勉強しなさい」と言われると反発したくなるけれど、逆に「しなくていい」と気遣われると「やらなきゃ」と気持ちが切り替わるケースは少なくありません。
お子さまはダラダラしているように見えても、内心では「早く始めなきゃ、でも少しだけゲームもしたいし……」などと揺れ動いている場合も多いもの。
こんな時、「押してダメなら引いてみる」作戦を試してみると、スッと勉強を始めることも期待できます。
(体験談)
予定時間になっても勉強を始めない時、「何時からするの~? 疲れているなら今日はやめといたら?」とふんわり声かけすると、すぐに取りかかります。「やりなさい!」とダイレクトに言うより効果的な気がします!
(新潟県・高1生の保護者)
うちでは昔から、声かけといえば「早く寝なさい」ばかり。本人は身長の伸びが気になるのか、さっさと行動する習慣が身に付きました。子どもの性格にもよるけれど、「勉強しなさい」と言わないほうがやる気が出ることも多いのではないかと思います。
(広島県・中3生の保護者)
まとめ & 実践 TIPS
中高生ともなると、保護者のかたが「勉強しなさい」と言っても、素直に聞かないお子さまも多くなるでしょう。
今回の記事でご紹介した実践テクニックを取り入れることで、お子さまの気持ちが勉強へ向かう可能性もあります。
「早くやりなさい!」と声を上げたくなる気持ちをちょっと抑えて、「うまくいったらラッキー」くらいの気持ちで声かけや接し方をチェンジしてみてはいかがでしょうか?
※2024年6月28日~7月12日に行った「保護者のかた向けWEBアンケート」(304人回答)に寄せられた体験談をもとに作成。
https://benesse.jp/qa/nayami/20240628-1.html
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