Meet the World! 英語でアート紹介に挑戦【直島アート便り】

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ベネッセアートサイト直島では、国内だけでなく海外からも多くのかたが訪れます。集落を歩いているとさまざまな言語での会話が聞こえてきたり、海外からお越しのかたに島のかたが英語で案内をしたりする光景もよく見られます。直島では2022年12月に直島小学校・中学校の児童と生徒が学校の外国語教育の一環として、英語を使ってアートの紹介に挑戦しました。今回は、直島の児童・生徒が取り組む英語学習「Meet the World」をご紹介します。

この記事のポイント

Meet the Worldとは

直島では、1988年から町がALT教諭(Assistant Language Teacher)を招き、小学校における英語活動をスタートしました。
1994年から、文部省研究開発学校として小学校における英語教育に力を入れ始め、その後、英語を使ってコミュニケーションを図る機会を増やす目的のもと、数名のALT教諭と児童が英語で交流をする「English Open Day」を実施しました。
2003年には当時のALT教諭が「Meet the World」に名称を変更し、直島小学校・中学校が連携して取り組む英語学習として毎年実施しています。

「Meet the World」は、香川県のALT教諭を招き、学年ごとに用意してきた出し物や「ふるさと学習」での学びを生かして英語で発表するなど、直島の児童・生徒が英語で交流を深める活動です。低学年の児童は英語の歌や踊りを披露したり、高学年は英語を使って島内を案内したり、学年によってさまざまな場面で英語に触れる機会になっています。

「ふるさと学習」で本村を散策する直島小4年生の児童たち

2003年ごろ、交流の合間や船の待ち時間などに少しずつ、家プロジェクトを始めとしたアート施設の紹介をすることをきっかけに、外国語教育と「アート紹介」を掛け合わせられないか検討がなされ、2013年には児童・生徒によるアート紹介を取り入れた直島小・中合同の「Meet the World」の形が完成しました。

英語でアート紹介に挑戦!

2021年度の「Meet the World」は新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受けオンラインでの実施となりましたが、今年度は12月に香川県からALT教諭を招き、現地での開催が実現しました。

児童・生徒たちは本番に向けて、総合的な学習の時間の「ふるさと学習」でこれまで学んできたことなどを生かしながら、学年ごとに英語で発表する準備を進めてきました。
その中で、直島小5年生の児童は本村地区で展開する「家プロジェクト」を英語で紹介しました。

家プロジェクトは、本村の空き家などを改修し、そこで紡がれてきた人々の記憶や時間を取り入れながらアーティストが空間を作品化するプロジェクトです。1998年から現在に至るまで、7軒が公開されています(2023年1月時点)。

5年生の児童は4つのグループに分かれ、それぞれ家プロジェクトの作品である「角屋」「南寺」「石橋」「はいしゃ」のうち1作品をガイドしました。

児童たちは作品の入口前で待機し、直島中学校の生徒と一緒に本村を散策するALT教諭に、作品の特徴や注目してほしいポイントなどをオリジナルのクイズを交えながら紹介します。

直島中1年生の生徒とALT教諭のグループは本村を散策します

担当する作品をどう紹介するか、自分たちの感想を入れたり、ジェスチャーを交えたり、グループごとに工夫を凝らした個性豊かな発表となりました。

家プロジェクト「石橋」を紹介する児童。グループで考えたクイズを出題中

児童たちは観光で来られたお客さまにも「Excuse me, do you have a moment?」と声をかけ、積極的に作品を紹介していました。「クイズの正解がおしいとき、英語でなんて言えばいいんだろう?」など案内をする中で出てきた疑問はその都度ALT教諭に確認しながら、自分たちの案内をどんどん磨いていきます。

家プロジェクト「角屋」の前で作品を紹介

始めは少し緊張していた児童も案内の回数を重ねていく中で、最後は質問や問いかけにも自信をもって答えられるようになっていました。
また、英語で案内する児童の様子を見ていた他のお客さまが「私たちにも案内してほしい」と声をかけるなど、児童を中心に作品と人、人と人との交流の輪も広がっていました。「Meet the World」を通して、ALT教諭だけでなく国内外から訪れたお客さまにも、児童が自分たちで調べた直島の魅力が伝わったのではないでしょうか。

家プロジェクト「はいしゃ」にてジェスチャーを交えながら作品を紹介

地元を素材に国際感覚を育む

「Meet the World」では、学年によるさまざまなテーマに沿って英語での交流機会を創出しています。加えて、高学年の児童や中学校の生徒たちは「ふるさと学習」を通して考えた地元の魅力を、自分たちの言葉で島外の人に伝える機会にもなっています。身近な地元の素材を探し、それを英語で紹介し、その反応を直接聞く、というステップに挑戦してみることで、机上だけでは学ぶことができないコミュニケーションの楽しさや豊かな国際感覚を育むことができるのではないでしょうか。

プロフィール



「ベネッセアートサイト直島」は、直島、豊島、犬島などを舞台に、株式会社ベネッセホールディングスと公益財団法人 福武財団が展開しているアート活動の総称です。訪れてくださる方が、各島でのアート作品との出合い、日本の原風景ともいえる瀬戸内の風景や地域の人々との触れ合いを通して、ベネッセグループの企業理念である「ベネッセ=よく生きる」とは何かについて考えてくださることを願っています。
https://benesse-artsite.jp/

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